グラム染色とは何か?紫色と赤色のグループへの細菌の種類分けとグラム染色においてグラム陽性菌だけが紫色に染まる理由

細菌と呼ばれる生物の種族を分類していく分類法のあり方としては、最も一般的なものとして、グラム染色と呼ばれる染色法に基づいてなされる

グラム陽性菌グラム陰性菌という二つの細菌のグループへと区分していく分類のあり方が挙げられることになります。

それでは、

こうしたグラム染色と呼ばれる染色法においては、具体的にどのような方法を用いることによって細菌の種族のグループ分けがなされていると考えられることになり、

そうしたグラム陽性菌グラム陰性菌という二つの細菌のグループのそれぞれに分類されることになる細菌の種族の具体的な特徴としては、どのような点が挙げられることになると考えられることになるのでしょうか?

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グラム染色による紫色と赤色のグループへの細菌の種類分け

まず、

こうしたグラム染色と呼ばれる染色法においては、主に、クリスタルバイオレットと呼ばれる透き通るような美しい紫色をした色素が用いられることになるのですが、

こうしたクリスタルバイオレットと呼ばれる色素は、水溶液が酸性かアルカリ性かを判定するpH指示薬にも用いられる薬品であるように、

ちょうどpH指示薬が水溶液の色の染まり方によって酸性かアルカリ性のどちらかへと振り分けていくような形で、細菌の種族をグラム陽性菌とグラム陰性菌のどちらかへと振り分けていくことになると考えられることになります。

具体的には、

こうしたグラム染色と呼ばれる染色法においては、顕微鏡おいて細菌の輪郭を明瞭に観察できるようにするために、

まずは、

上述したクリスタルバイオレットに代表されるような紫色の色素液によって細菌を染色したうえで、

その後、細菌への色素の定着を進めるために、ルゴール液と呼ばれる高濃度のヨウ素溶液による洗浄とアルコールによる脱色がなされていくことになり、

こうしたアルコールによる脱色の過程において、グラム陽性菌は紫色に染まったままの状態で残るのに対して、グラム陰性菌は無色の状態へと脱色されてしまうことになります。

そして、その後、

顕微鏡による比較観察をより容易にするために、観察対象を対照的な色素によって染め直す対比染色としてサフラニンフクシンといった赤色の色素による染色が行われていくことになり、

そうした対比染色の過程において、

脱色がなされていないグラム陽性菌は紫色のままの状態で残るのに対して、アルコールによって脱色がなされていたグラム陰性菌は改めて赤色に染め上げられることによって、

こうしたグラム染色と呼ばれる染色法に基づく細菌の種族のグループ分けが完了することになると考えられることになります。

つまり、一言でいうと、

こうしたグラム染色と呼ばれる細菌の染色法においては、紫色に染まる細菌グラム陽性菌、そして、赤色に染まる細菌グラム陰性菌として分類されることになると考えられることになるのです。

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グラム染色においてグラム陽性菌だけが紫色に染まる理由とは?

ちなみに、

グラム染色と呼ばれる染色法においてグラム陰性菌はアルコールによる脱色を受けて紫色の色素が流れ落ちてしまうのに対して、グラム陽性菌だけが紫色に染まったままの状態で残る理由としては、

こうしたグラム陽性菌グラム陰性菌と呼ばれるそれぞれの細菌のグループにおける細胞壁の構造の違いといった点が挙げられることになります。

前者のグラム陽性菌の細胞壁の構造は、ペプチドグリカンと呼ばれる高分子化合物からなる分厚い層によって構成されているため、アルコールによる溶解作用をある程度は防護することができると考えられ、

そうしたアルコールによる溶解作用を受けても細胞壁が溶かされきらずに残ることによって、細胞の内部に含まれている紫色の色素の細胞外への流出が食い止められることになるとと考えられることになります。

そして、それに対して、

後者のグラム陰性菌の細胞壁の構造は、外膜と内膜と呼ばれる二重膜構造の間に存在する非常に薄い層によって構成されているため、アルコールによる溶解作用を容易に受けてしまうことになり、

そうしたアルコールによる溶解作用を受けることで外膜と細胞壁が崩壊してしまうことによって、細胞の内部に含まれている紫色の色素がすぐに細胞外へと流出していってしまうことになると考えられることになるのです。

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次回記事:グラム陽性菌とグラム陰性菌の違いとは?両者に分類される代表的な細菌の種類と具体的な特徴

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