宇宙の果ては存在するのか?②見かけ上の宇宙の果てとしての「宇宙光の地平面」に囲まれた観測可能な宇宙の全領域

前回の記事で書いたように、互いに因果関係を及ぼし合うことが可能な情報伝達の面における現実的な宇宙の果てとしては、

宇宙の地平面あるいは事象の地平面と呼ばれる膨張宇宙論に基づく光の伝達の限界領域の存在が挙げられることになるのですが、

それでは、

こうした宇宙の地平面と呼ばれる境界面によって取り込まれた宇宙の領域が、地球上から観測することが可能な宇宙全体の姿とそのまま一致することになるのか?というと、必ずしもそうと言えるわけではなく、

過去の宇宙の姿の観測も含めた地球上から観測することが可能な全宇宙の視野の範囲としては、そうした宇宙の地平面によって取り囲まれた領域よりも一回り以上広大な宇宙の領域がそうした可能的な視野のうちに含まれることになると考えられることになります。

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太古の昔に放たれた光の見かけ上の位置としての「光子の粒子的地平面」の定義

前回書いたように、現在の宇宙の内部において、光の伝達を通じて互いに影響を及ぼし合うことが出来る限界地点にあたる宇宙の地平面に位置している天体としては、

地球からだいたい100200億光年程度の地点に位置している銀河群が挙げられることになりますが、

このことは、逆に言えば、

そうした現在の時点において宇宙の地平面に位置している天体から現在放たれた光実際に地球上で観測されるまでには、少なくとも100億年はかかるということを意味することになり、

その間に、かつてその光を発していた天体自体は、宇宙空間の膨張なども加味すると地球からさらに数百憶光年以上離れたはるか彼方へと飛び去っていると考えられることになります。

そして、それと同じように、

現在地球上から観測されている最も遠くに位置する銀河系の姿というのも、現在はすでに宇宙の地平面のはるか彼方へと飛び去ってしまっている天体の100億年以上前の太古の姿であると考えられ、

そうしたある特定の天体から太古の昔に放たれた光は、現在地球上から観測における見かけ上の位置としては

その光が放たれた過去における実際の天体の位置ではなく、その光源となった天体の現在の位置に基づいて測定されることになります。

そして、現代の宇宙物理学においては、

そうした現在地球から観測することができる最も古い光が発せられた光源となる天体の、現在の位置の集合体のことを指して、光子の粒子的地平面あるいは宇宙光の地平面といった言葉が用いられることになるのです。

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見かけ上の宇宙の果てとしての「宇宙光の地平面」に囲まれた観測可能な宇宙の全領域

それでは、

こうした光子の粒子的地平面あるいは宇宙光の地平面と呼ばれる境界面の領域は、現代の宇宙物理学に基づく実際の宇宙観測においては、具体的にどのような範囲に見いだされることになるのか?ということについてですが、

それについては、情報伝達の可能性といった現実的な意味における宇宙の果てを意味する宇宙の地平面の範囲である半径100200億光年の範囲をはるかに超える

地球を中心とする半径約465億光年にもおよぶ巨大な球の表面がこうした宇宙光の地平面の具体的な範囲として位置づけられることになります。

そして、

こうした地球を中心とする半径465億光年直径にすると930億光年にもおよぶ宇宙光の地平面によって取り囲まれた宇宙の領域が、

地球から観測することができる可視的な宇宙、すなわち、観測可能な宇宙の全領域として位置づけられることになると考えられることになります。

そして、そういった意味では、

前回の記事で取り上げた宇宙の地平面あるいは事象の地平面と呼ばれる境界領域のことを情報伝達の面における現実的な宇宙の果てとして捉えることができるとするならば、

今回の記事で取り上げた宇宙光の地平面あるいは光子の粒子的地平面と呼ばれる境界領域は、

その地平面によって囲まれた領域が観測可能な宇宙の全領域として観測されることになる見かけ上の宇宙の果てとして捉えられることになると考えられることになるのです。

・・・

次回記事:宇宙の果ては存在するのか?③主観的な宇宙の果てに対応する主観的な宇宙の中心の位置づけ

前回記事:宇宙の果ては存在するのか?①情報伝達における現実的なの宇宙の果てとしての宇宙の地平面および事象の地平面の定義

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