ノロウイルス患者への適切な心理的サポートとは?ノロウイルス対策⑬

病気の患者を看病するときは、物理的な看護や介助と同じくらい、患者への心理的なサポートが重要になります。

今回は、ノロウイルス患者を看護する際の心理的なサポートの仕方について、考えてみたいと思います。

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ノロウイルスの患者に対する心理的サポートとは?

前回までの、シリーズ「ノロウイルス対策」で、ノロウイルスに対する物理的な予防対策と看護法については、すべて考察と説明が終わりましたが、

病気の患者に対する看護では、物理的な看護や介助と同じくらい、患者への心理的なサポートが重要となります。

そして、それは、

病院患者看護師の関係だけでなく、
家庭内での、病気を発症した人とそれを看護する人との関係でも同様だと思います。

相手への思いやりや愛情のあまり、
マスクやビニール手袋などもろくにつけずに、まったく無防備な状態で看護する、
というのは、献身的な行為であったとしてもあまりに無謀です。

しかし、

完全な感染予防対策を重視するあまり、
患者に対する態度まで疎遠になってしまうと、
看護されている側は、自分が病気を理由に遠ざけられ、邪魔者扱いされていると感じ、自分が他の家族から拒絶されていると思うようになります。

そして、
そうした疎外感は、家族同士の人間関係自体にまで亀裂を生むことにつながってしまいかねません。

ですから、

顔や手をマスクや手袋で覆い、患者との身体的な接触はしっかりガードしつつも、
心は、看護している相手にしっかりと寄り添い
相手にこちらの思いやりや気づかう気持ちが十分に伝わっている必要があります。

どのような看護の仕方が患者への心理的なサポートになるの?

では、具体的に、どのような看護をすれば、患者に対する心理的なサポートになるのでしょうか?

気づかう気持ちを伝えるために、「大丈夫?」などと、直接、頻繁に声かけをしてしまうと、
その都度、返事をさせることで、かえって患者を疲れさせてしまうかもしれないし、

わざとらしく思われたり、わずらわしがられてしまったりすることで、
逆効果になってしまうかもしれません。

それでは、一体どうすればいいのでしょうか?

答えは、「通常の看護を、普通におこなえばよい」、ということになると思います。

ただし、それを、

なるべく、こまめに頻繁に回数を分けて、おこなってあげるのです。

そして、できれば、そのなかで、

状況に合わせたちょっとした配慮を、してあげることができると、
より気持ちが相手に伝わりやすく、大きな心理的サポートになると考えられます。

体温を測ってあげたり、
水分補給のために1時間おきくらいに、こまめに白湯をもっていってあげたりすることで、

あえて特別なことをしなくても、

あなたのことを忘れていないよ
心配しているよ
ちゃんと気にかけているよ

という、いたわりの気持ちが、相手に自然に伝わっていくことになります。

若干意味がずれますが、
表情や態度、行動の方が、言葉よりも真意が相手に伝わるという意味では、
目は口ほどに物を言う」といったところでしょうか。

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患者を見守ってあげる思いやりの看護とは?

看護を兼ねて定期的に容体をみていくことで、ある程度、症状が治まってきたことがわかったら、

はちみつレモンをつくってあげようか?
お腹が落ち着いてきたようなら、そろそろおかゆでも食べてみる?

などと、適切なタイミングで、

患者の気持ちに先んじた看護の提案
状況に合わせた配慮、などがおこなえれば、

こちらの思いやりの気持ちが、さらによく伝わっていくことになります。

症状が強い時は、
「もうほっといてほしい!」などと、心にもないことを言われてしまうこともあるかもしれません。

しかし、相手をこまめに看護し見守ってあげることで、

砂時計の底に、砂が少しずつ流れ落ち、静かに積もって満たされていくように、
思いやる気持ちは少しずつですが、確実に相手の心へと伝わっていき、

時を経るごとに、互いの気持ちが穏やかに分かり合えるようになっていきます。

身体のケアと同時に、互いの心のケアもすることができ、
病気の看護を通じて、家庭内の人間関係もかえって良好になる。

まさに一石二鳥というわけです。

次回のシリーズ「ノロウイルス対策⑭」は、これまでのノロウイルス対策の総まとめとして、
ノロウイルス対策の目標とは何なのか、何を目標に、どういう方針で対策をおこなえばいいのか、
改めてしっかりと考えて、このシリーズの締めくくりとしたいと思います

まとめ

完全な感染予防対策を重視するあまり、家庭内での、病気を発症した人とそれを看護する人との関係に亀裂を生むことになってはいけません。

そうならないためには、「通常の看護を、普通におこなえばよい」のですが、
それをなるべく、こまめに、頻繁に、回数を分けておこない、
できれば、状況に合わせた、ちょっとした配慮もしてあげることで、
いたわりの気持ちが、相手に自然に伝わっていきます。

こまめに看護し、見守ってあげることで、相手を思いやる気持ちは着実に相手へと伝わっていき、病気の看護を通じて、家庭内の人間関係もかえって良好になるでしょう。

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