両性花と単性花の違いとは?①両者に分類される植物の具体的な種類の代表例と、被子植物と裸子植物の分類に基づく区別
両性花と単性花の違いについて、一言でいうと、
両性花とは、一つの花の内に雄しべと雌しべの両方が形成される花のことを意味する言葉であるのに対して、
単性花とは、一つの花の内に雄しべか雌しべかのいずれか一方だけが形成される花のことを意味する言葉として定義されることになります。
そして、
詳しくは前回の記事書いたように、こうした両性花と単性花という分類のうちの後者にあたる単性花においては、
それぞれの花の内に、雄しべと雌しべのどちらが形成されているかによって、雄花と雌花の区別がなされることになるのですが、
今回は、こうした両性花と単性花のそれぞれに分類される植物の具体的な種類としてはどのような木や草花の名前が挙げられることになるのか?ということについて、
被子植物と裸子植物という植物の分類のあり方に基づいて詳しく考えていきたいと思います。
被子植物と裸子植物の分類に基づく両性花と単性花の区別
植物の中で、種から芽を出して、やがて花を形成し、そこから再び種子が生じることによって子孫を増やしていく植物は種子植物として定義されることになりますが、
そうした人間が日常的に目にする最も一般的な植物の分類である種子植物は、
大きく分けて、
種子の元である胚珠(はいしゅ)が雌しべの中の子房と呼ばれる部分の中に収められている被子植物と、
子房がなく、胚珠がむき出しの状態で並んでいる裸子植物と呼ばれる二つのグループへと分けられることになります。
そして、
こうした被子植物と裸子植物という分類において、
被子植物に分類される植物の多くが両性花をつけるのに対して、
裸子植物に分類される植物のほとんどすべては単性花をつけると考えられることになります。
両性花と単性花に分類される具体的な草花や木の種類の代表例
そして、次に、
こうした被子植物と裸子植物という大きな植物の分類の枠組みに基づいたうえで、
両性花と単性花に分類される具体的な草花や木の種類を挙げていくとすると、
ます、両性花に分類される花をつける植物の種類としては、
バラ科:サクラ(桜)、バラ(薔薇)、イチゴ、リンゴ、ナシなど
キク科:キク(菊)、タンポポ、コスモス、ヒマワリなど
ユリ科:ユリ(百合)、チューリップ、タマネギ
ヒルガオ科:アサガオ(朝顔)、ヒルガオ、サツマイモなど
アブラナ科:アブラナ(菜の花)、キャベツ、ダイコン、ブロッコリーなど
マメ科:エンドウ、ソラマメ、インゲンマメなど
他にも、アヤメ、ツツジ(躑躅)、スイセン(水仙)、スミレ、ホウセンカ(鳳仙花)、イネ(稲)、コムギ(小麦)、ライムギ(ライ麦)、ナス、トマト、ジャガイモ などといった
数多くの被子植物に分類される木や草花の種類が挙げられることになります。
それに対して、
単性花に分類される花をつけ、雄花と雌花という二つの形態をもった花をもつ植物の種類としては、
イチョウ(銀杏)、ソテツ(蘇鉄)、マツ(松)、スギ(杉)、ヒノキ(檜)
といった裸子植物の木々の種類が挙げられるほか、
被子植物の中でも、その一部には単性花をつける植物の種類もあり、
例えば、
ウリ科に属するヘチマ(糸瓜)やキュウリ(胡瓜)、カボチャ(南瓜)やスイカ(西瓜)といった植物、その他にも、トウモロコシや、ホウレンソウといった作物なども、
被子植物でありながら単性花をつける植物の種類として挙げられることになります。
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以上のように、
両性花とは、一つの花の内に雄しべと雌しべの両方が形成される花のことを意味する言葉であるのに対して、
単性花とは、一つの花の内に雄しべか雌しべかのいずれか一方だけが形成される花ののことを意味し、
単性花の方は、さらに、それぞれの花において雄花と雌花という二つの形態へと区分されることになるという点に、
両性花と単性花という両者の概念の具体的な意味の違いがあると考えられることになります。
そして、
両性花と単性花に分類される植物の具体的な種類の代表例としては、
両性花に分類される植物の種類としては、
サクラ、バラ、イチゴ、リンゴ、ナシ、キク、タンポポ、コスモス、ヒマワリ、ユリ、チューリップ、タマネギ、アサガオ、ヒルガオ、サツマイモ、アブラナ、キャベツ、ダイコン、ブロッコリー、エンドウ、ソラマメ、インゲンマメ、アヤメ、ツツジ、スイセン、スミレ、ホウセンカ、イネ、コムギ、ライムギ、ナス、トマト、ジャガイモ
といった数多くの被子植物が挙げられることになるのに対して、
単性花に分類される植物の種類としては、
イチョウ、ソテツ、マツ、スギ、ヒノキといった裸子植物の木々の種類のほか、
ヘチマ、キュウリ、カボチャ、スイカ、トウモロコシ、ホウレンソウといった一部の被子植物の名前も挙げられることになるのです。
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次回記事:両性花と単性花はどちらの方がどのくらい多いのか?、両性花と単性花の違い②
前回記事:おしべと雄花、めしべと雌花の違いとは?生物学における具体的な定義と雄花や雌花をつける植物の具体的な種類
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