正月に雑煮を食べるのはなぜ?地域によって違うの?雑煮考①
お正月に食べるものといえば、おせち料理と雑煮(ぞうに)ですよね。
雑煮は、日本の古くからの伝統料理の一つですが、
そもそも、雑煮を食べる習慣はいつごろから始まったのでしょうか?
雑煮の中身、餅(もち)の形や、汁の味付け方法も、
地域によって、いろいろと違いがあるようですが、
どんな違いがあるのでしょうか?
今回は、雑煮について調べてみました。
雑煮ってどんな料理のことをいうの?
雑煮とは、いかなる料理のことをいうのか?
まず、それを確認しておきましょう。
もちろん、雑煮とは、「お餅を主な材料とした汁物の料理」、のことですね。
一般的には、雑煮は、
大晦日の夕方に年神様に供えた餅を、
元日の朝に神棚から降ろして、
それに野菜や肉・魚介類などを加えて煮こんだ料理のことをいいます。
「雑煮餅」という言い方もあります。
雑煮を食べる習慣はいつごろ始まったの?
雑煮の由来については、実は、あまりはっきりしていないんです。。
文献上は、
室町時代に、京都吉田神社の神官であった鈴鹿家によって記された『鈴鹿家記(すずかかき)』に、初めて「雑煮」という言葉が登場します。
雑煮は、本来は武家社会の料理で、
餅を野菜や乾燥食品などと一緒に煮込んだ「野戦料理」が始まりだった、と考えられています。
その野戦料理が、武家社会の中で次第に儀礼化されていき、
酒宴などでまず最初に出されるようになった、といいます。
まず雑煮を食べて、胃を落ち着かせてから酒宴に移る、
雑煮はお酒を飲む前に食べる、いわば前菜だったのです。
ん? お宅にも、雑煮を食べたらすぐにお酒を飲み始める人、いますか?
武家社会のこの雑煮が、やがて、一般庶民にも普及した、ということですね。
雑煮の作り方は地域によってどう違うの?
じつは、この雑煮、
地域によって、いや、同じ地域でも、家庭によって、
だいぶ違いがあるんです。
まず、餅が違います。
まるい餅(丸餅)か、四角い切り餅(角餅)か、
さらに、生のまま汁に入れて煮るのか、焼いてから汁に入れるのか・・・
一番多いのは、角餅を焼いてから汁に入れるという作り方です。
角餅を使うか丸餅を使うかは、
糸魚川静岡構造線(日本の活断層の中でも最も活動的な断層帯のひとつ)で分かれるそうです。
糸魚川静岡構造線の東側が角餅、西側が丸餅。
北海道と北陸は角餅と丸餅が混在しているそうです。
ちなみに、関西で丸餅を使うのは、鏡餅をかたどっているからだといわれています。
また、最近では、西日本でも、角餅を使う地域が広がっているそうです。
餅を、生のまま汁に入れて煮るのか、焼いてから汁に入れるのか、
これも、地域によって違います。
餅を焼かないで生のまま汁に入れる地域は、
関西地方と中国地方(広島を除く)が多く、
焼いてから汁に入れるのは東日本に多いようです。
汁の味付けも分かれます。
しょうゆ仕立てか、みそ仕立てか。
東日本ではしょうゆ仕立て(すまし仕立て)、
西日本ではみそ仕立て(白みそ仕立て)です。
大きくまとめると、
東日本では、角餅を焼いてから入れたすまし仕立て、
西日本では、丸餅をゆでて白みそ仕立てにするのが一般的、
ということになります。
変わった味付けとして、
香川県や岡山県真鍋島では、
白みそ仕立ての雑煮にアズキあんの丸餅を入れた、
「あんこ餅雑煮」を正月に食べるそうです。
どんなものなのか、一度、食べてみたいですね。
まとめ
雑煮とは、お餅を主な材料とした汁物の料理のことです。
雑煮の由来は、武家社会の儀礼的な料理だったようで、
それが一般庶民にも普及した、ということです。
雑煮の作り方は、地域によってだいぶ違います。
東日本では、角餅を焼いてから入れたすまし仕立て、
西日本では、丸餅をゆでて白みそ仕立てにするのが一般的です。
次回「雑煮考②」は?
次回「雑煮考②」は、
雑煮には餅のほかにどんな材料をいれるのか、ついてまとめてみる予定です。
乞う、ご期待!