256通りの格式に基づく三段論法のすべての形式の具体例と検証①、第一格に分類される64通りの三段論法の格式の検証
前回書いたように、三段論法において形式的に可能な256通りの格式のうち、どれが妥当な三段論法の形式であるかを検証していく具体的な検証作業の進め方としては、
それぞれの格式を用いた推論に対して一つ一つ反例を挙げることを試みることによって誤った三段論法の形式をすべて排除していき、妥当な三段論法の形式のみをあぶり出していくというデカルトの方法的懐疑に類するようなアプローチの方法が考えられることになります。
そこで、せっかくなので、今回からの四回にわたる記事において、
基本的には、誤った三段論法の形式については、一つ一つ具体的な反例を挙げていく形で、
実際に、こうした256通りの格式に基づく三段論法のすべての形式について、それぞれの形式を用いた推論が妥当な三段論法であるか否かを確かめる網羅的な検証を行っていきたいと思います。
・・・
「三段論法における四つの格の分類」の記事で書いたように、三段論法の形式は、推論を構成する命題の内のP(大概念)・S(小概念)・M(媒概念)という三つの概念の配置のあり方に応じて、
第一格から第四格までの四つの格へと分類することができると考えられることになります。
そして、今回取り上げる第一格に分類される三段論法の推論の形式は、すべて、
大前提:MはPである。
小前提:SはMである。
結論:ゆえに、SはPである。
といった構造をもった推論の形式となり、
上記のM(媒概念)とP(大概念)とS(小概念)という三つの概念の位置に、
全称肯定命題(A)・特称肯定命題(I)・全称否定命題(E)・特称否定命題(O)という四種類の命題のうちのどのような種類の命題が配置されるかによって、
全部で4×4×4=64通りの第一格の三段論法の形式が生じることになります。
そこで、今回は、
はじめに取り上げる16通りの推論形式については前回例示したものと重複してしまうことになりますが、
こうした第一格のAAA式からOOO式までの全部で64通りの第一格の三段論法の推論の形式のすべてについて、それぞれの格式を用いた推論の具体例を挙げていく形で、それぞれの推論形式の妥当性と真偽の検証を進めていきたいと思います。
第一格AAA式からAOO式までの16通りの三段論法の形式の真偽の検証
(1) 第一格AAA式
大前提:すべての哺乳類は動物である。=真
小前提:すべての人間は哺乳類である。=真
結論:ゆえに、すべての人間は動物である。=真
→確かに、すべての人間は動物であるように、このタイプの推論に対して反例を挙げることは論理的に不可能なので、妥当な三段論法の形式として認めることができる。
(2) 第一格AAI式
大前提:すべての哺乳類は動物である。=真
小前提:すべての人間は哺乳類である。=真
結論:ゆえに、ある人間は動物である。=真
→このタイプの推論は、上記の第一格AAA式の推論の大小対当(リ:大小対当とは何か?)(全称命題が真ならば特称命題も真となる関係)にあたることから必然的に正しい推論となるので、妥当な三段論法の形式として認めることができる。
(3) 第一格AAE式
大前提:すべての哺乳類は動物である。=真
小前提:すべての人間は哺乳類である。=真
結論:ゆえに、すべての人間は動物ではない。=偽
→実際には、すべての人間は動物なので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(4) 第一格AAO式
大前提:すべての哺乳類は動物である。=真
小前提:すべての人間は哺乳類である。=真
結論:ゆえに、ある人間は動物ではない。=偽
→実際には、すべての人間は動物なので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(5) 第一格AIA式
大前提:すべての鳥類は有翼である。=真
小前提:ある動物は鳥類である。=真
結論:ゆえに、すべての動物は有翼である。=偽
→実際には、翼を持たない動物もいるので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(6) 第一格AII式
大前提:すべての鳥類は有翼である。=真
小前提:ある動物は鳥類である。=真
結論:ゆえに、ある動物は有翼である。=真
→確かに、動物の中には鳥やコウモリといった翼をもった種族がいるように、このタイプの推論に対して反例を挙げることは論理的に不可能なので、妥当な三段論法の形式として認めることができる。
(7) 第一格AIE式
大前提:すべての哺乳類は動物である。=真
小前提:ある人間は哺乳類である。=真
結論:ゆえに、すべての人間は動物ではない。=偽
→実際には、すべての人間は動物なので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(8) 第一格AIO式
大前提:すべての哺乳類は動物である。=真
小前提:ある人間は哺乳類である。=真
結論:ゆえに、ある人間は動物ではない。=偽
→実際には、すべての人間は動物なので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(9) 第一格AEA式
大前提:すべての鳥類は有翼である。=真
小前提:すべての人間は鳥類ではない。=真
結論:ゆえに、すべての人間は有翼である。=偽
→実際には、有翼の人間は存在しないので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(10) 第一格AEI式
大前提:すべての鳥類は有翼である。=真
小前提:すべての人間は鳥類ではない。=真
結論:ゆえに、ある人間は有翼である。=偽
→実際には、有翼の人間は存在しないので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(11) 第一格AEE式
大前提:すべての魚類は水生である。=真
小前提:すべての哺乳類は魚類ではない。=真
結論:ゆえに、すべての哺乳類は水生ではない。=偽
→実際には、クジラなどの一部の哺乳類は水生なので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(12) 第一格AEO式
大前提:すべての魚類は動物である。=真
小前提:すべての哺乳類は魚類ではない。=真
結論:ゆえに、ある哺乳類は動物ではない。=偽
→実際には、すべての哺乳類は動物なので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(13) 第一格AOA式
大前提:すべての鳥類は有翼である。=真
小前提:ある人間は鳥類ではない。=真
結論:ゆえに、すべての人間は有翼である。=偽
→実際には、有翼の人間は存在しないので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(14) 第一格AOI式
大前提:すべての鳥類は有翼である。=真
小前提:ある人間は鳥類ではない。=真
結論:ゆえに、ある人間は有翼である。=偽
→実際には、有翼の人間は存在しないので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(15) 第一格AOE式
大前提:すべての魚類は水生である。=真
小前提:ある哺乳類は魚類ではない。=真
結論:ゆえに、すべての哺乳類は水生ではない。=偽
→実際には、クジラなどの一部の哺乳類は水生なので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(16) 第一格AOO式
大前提:すべての魚類は動物である。=真
小前提:ある哺乳類は魚類ではない。=真
結論:ゆえに、ある哺乳類は動物ではない。=偽
→実際には、すべての哺乳類は動物なので、これは誤った三段論法の形式と言える。
第一格IAA式からIOO式までの16通りの三段論法の形式の真偽の検証
(17) 第一格IAA式
大前提:ある哺乳類は有翼である。=真(例えば、コウモリなど)
小前提:すべての人間は哺乳類である。=真
結論:ゆえに、すべての人間は有翼である。=偽
→実際には、有翼の人間は存在しないので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(18) 第一格IAI式
大前提:ある哺乳類は有翼である。=真
小前提:すべての人間は哺乳類である。=真
結論:ゆえに、ある人間は有翼である。=偽
→実際には、有翼の人間は存在しないので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(19) 第一格IAE式
大前提:ある哺乳類は動物である。=真
小前提:すべての人間は哺乳類である。=真
結論:ゆえに、すべての人間は動物ではない。=偽
→実際には、すべての人間は動物なので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(20) 第一格IAO式
大前提:ある哺乳類は動物である。=真
小前提:すべての人間は哺乳類である。=真
結論:ゆえに、ある人間は動物ではない。=偽
→実際には、すべての人間は動物なので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(21) 第一格IIA式
大前提:ある哺乳類は有翼である。=真(例えば、コウモリなど)
小前提:ある人間は哺乳類である。=真
結論:ゆえに、すべての人間は有翼である。=偽
→実際には、有翼の人間は存在しないので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(22) 第一格III式
大前提:ある哺乳類は有翼である。=真(例えば、コウモリなど)
小前提:ある人間は哺乳類である。=真
結論:ゆえに、ある人間は有翼である。=偽
→実際には、有翼の人間は存在しないので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(23) 第一格IIE式
大前提:ある哺乳類は動物である。=真
小前提:ある人間は哺乳類である。=真
結論:ゆえに、すべての人間は動物ではない。=偽
→実際には、すべての人間は動物なので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(24) 第一格IIO式
大前提:ある哺乳類は動物である。=真
小前提:ある人間は哺乳類である。=真
結論:ゆえに、ある人間は動物ではない。=偽
→実際には、すべての人間は動物なので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(25) 第一格IEA式
大前提:ある鳥類は有翼である。=真
小前提:すべての人間は鳥類ではない。=真
結論:ゆえに、すべての人間は有翼である。=偽
→実際には、有翼の人間は存在しないので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(26) 第一格IEI式
大前提:あるの鳥類は有翼である。=真
小前提:すべての人間は鳥類ではない。=真
結論:ゆえに、ある人間は有翼である。=偽
→実際には、有翼の人間は存在しないので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(27) 第一格IEE式
大前提:ある魚類は水生である。=真
小前提:すべての哺乳類は魚類ではない。=真
結論:ゆえに、すべての哺乳類は水生ではない。=偽
→実際には、クジラなどの一部の哺乳類は水生なので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(28) 第一格IEO式
大前提:ある魚類は動物である。=真
小前提:すべての哺乳類は魚類ではない。=真
結論:ゆえに、ある哺乳類は動物ではない。=偽
→実際には、すべての哺乳類は動物なので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(29) 第一格IOA式
大前提:ある鳥類は有翼である。=真
小前提:ある人間は鳥類ではない。=真
結論:ゆえに、すべての人間は有翼である。=偽
→実際には、有翼の人間は存在しないので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(30) 第一格IOI式
大前提:ある鳥類は有翼である。=真
小前提:ある人間は鳥類ではない。=真
結論:ゆえに、ある人間は有翼である。=偽
→実際には、有翼の人間は存在しないので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(31) 第一格IOE式
大前提:ある魚類は水生である。=真
小前提:ある哺乳類は魚類ではない。=真
結論:ゆえに、すべての哺乳類は水生ではない。=偽
→実際には、クジラなどの一部の哺乳類は水生なので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(32) 第一格IOO式
大前提:ある魚類は動物である。=真
小前提:ある哺乳類は魚類ではない。=真
結論:ゆえに、ある哺乳類は動物ではない。=偽
→実際には、すべての哺乳類は動物なので、これは誤った三段論法の形式と言える。
第一格EAA式からEOO式までの16通りの三段論法の形式の真偽の検証
(33) 第一格EAA式
大前提:すべての哺乳類は鳥類ではない。=真
小前提:すべての人間は哺乳類である。=真
結論:ゆえに、すべての人間は鳥類である。=偽
→実際には、人間は鳥類ではないので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(34) 第一格EAI式
大前提:すべての哺乳類は鳥類ではない。=真
小前提:すべての人間は哺乳類である。=真
結論:ゆえに、ある人間は鳥類である。=偽
→実際には、人間は鳥類ではないので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(35) 第一格EAE式
大前提:すべての哺乳類は鳥類ではない。=真
小前提:すべての人間は哺乳類である。=真
結論:ゆえに、すべての人間は鳥類ではない。=真
→確かに、鳥類に属する人間は一人もいないように、このタイプの推論に対して反例を挙げることは論理的に不可能なので、妥当な三段論法の形式として認めることができる。
(36) 第一格EAO式
大前提:すべての哺乳類は鳥類ではない。=真
小前提:すべての人間は哺乳類である。=真
結論:ゆえに、ある人間は鳥類ではない。=真
→このタイプの推論は、上記の第一格EAE式の推論の大小対当(全称命題が真ならば特称命題も真となる関係)にあたることから必然的に正しい推論となるので、妥当な三段論法の形式として認めることができる。
(37) 第一格EIA式
大前提:すべての哺乳類は鳥類ではない。=真
小前提:ある人間は哺乳類である。=真
結論:ゆえに、すべての人間は鳥類である。=偽
→実際には、人間は鳥類ではないので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(38) 第一格EII式
大前提:すべての哺乳類は鳥類ではない。=真
小前提:ある人間は哺乳類である。=真
結論:ゆえに、ある人間は鳥類である。=偽
→実際には、人間は鳥類ではないので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(39) 第一格EIE式
大前提:すべての哺乳類は鳥類ではない。=真
小前提:ある動物は哺乳類である。=真
結論:ゆえに、すべての動物は鳥類ではない。=偽
→実際には、鳥類に属する動物も存在するので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(40) 第一格EIO式
大前提:すべての哺乳類は鳥類ではない。=真
小前提:ある動物は哺乳類である。=真
結論:ゆえに、ある動物は鳥類ではない。=真
→確かに、動物のなかには鳥類でないものも存在するように、このタイプの推論に対して反例を挙げることは論理的に不可能なので、妥当な三段論法の形式として認めることができる。
(41) 第一格EEA式
大前提:すべての魚類は鳥類ではない。=真
小前提:すべての人間は魚類ではない。=真
結論:ゆえに、すべての人間は鳥類である。=偽
→実際には、人間は鳥類ではないので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(42) 第一格EEI式
大前提:すべての魚類は鳥類ではない。=真
小前提:すべての人間は魚類ではない。=真
結論:ゆえに、ある人間は鳥類である。=偽
→実際には、人間は鳥類ではないので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(43) 第一格EEE式
大前提:すべての魚類は二足歩行ではない。=真
小前提:すべての人間は魚類ではない。=真
結論:ゆえに、すべての人間は二足歩行ではない。=偽
→実際には、人間は基本的に二足歩行なので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(44) 第一格EEO式
大前提:すべての魚類は陸生動物ではない。=真
小前提:すべての人間は魚類ではない。=真
結論:ゆえに、ある人間は陸生動物ではない。=偽
→実際には、人間は陸生動物なので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(45) 第一格EOA式
大前提:すべての魚類は鳥類ではない。=真
小前提:ある人間は魚類ではない。=真
結論:ゆえに、すべての人間は鳥類である。=偽
→実際には、人間は鳥類ではないので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(46) 第一格EOI式
大前提:すべての魚類は鳥類ではない。=真
小前提:ある人間は魚類ではない。=真
結論:ゆえに、ある人間は鳥類である。=偽
→実際には、人間は鳥類ではないので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(47) 第一格EOE式
大前提:すべての魚類は二足歩行ではない。=真
小前提:ある人間は魚類ではない。=真
結論:ゆえに、すべての人間は二足歩行ではない。=偽
→実際には、人間は基本的に二足歩行なので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(48) 第一格EOO式
大前提:すべての魚類は陸生動物ではない。=真
小前提:ある人間は魚類ではない。=真
結論:ゆえに、ある人間は陸生動物ではない。=偽
→実際には、人間は陸生動物なので、これは誤った三段論法の形式と言える。
第一格OAA式からOOO式までの16通りの三段論法の形式の真偽の検証
(49) 第一格OAA式
大前提:ある哺乳類は鳥類ではない。=真
小前提:すべての人間は哺乳類である。=真
結論:ゆえに、すべての人間は鳥類である。=偽
→実際には、人間は鳥類ではないので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(50) 第一格OAI式
大前提:ある哺乳類は鳥類ではない。=真
小前提:すべての人間は哺乳類である。=真
結論:ゆえに、ある人間は鳥類である。=偽
→実際には、人間は鳥類ではないので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(51) 第一格OAE式
大前提:ある哺乳類は陸生動物ではない。=真(例えば、クジラなど)
小前提:すべての人間は哺乳類である。=真
結論:ゆえに、すべての人間は陸生動物ではない。=偽
→実際には、人間は陸生動物なので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(52) 第一格OAO式
大前提:ある哺乳類は陸生動物ではない。=真(例えば、クジラなど)
小前提:すべての人間は哺乳類である。=真
結論:ゆえに、ある人間は陸生動物ではない。=偽
→実際には、人間は陸生動物なので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(53) 第一格OIA式
大前提:ある哺乳類は鳥類ではない。=真
小前提:ある人間は哺乳類である。=真
結論:ゆえに、すべての人間は鳥類である。=偽
→実際には、人間は鳥類ではないので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(54) 第一格OII式
大前提:ある哺乳類は鳥類ではない。=真
小前提:ある人間は哺乳類である。=真
結論:ゆえに、ある人間は鳥類である。=偽
→実際には、人間は鳥類ではないので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(55) 第一格OIE式
大前提:ある哺乳類は陸生動物ではない。=真(例えば、クジラなど)
小前提:ある人間は哺乳類である。=真
結論:ゆえに、すべての人間は陸生動物ではない。=偽
→実際には、人間は陸生動物なので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(56) 第一格OIO式
大前提:ある哺乳類は陸生動物ではない。=真(例えば、クジラなど)
小前提:ある人間は哺乳類である。=真
結論:ゆえに、ある人間は陸生動物ではない。=偽
→実際には、人間は陸生動物なので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(57) 第一格OEA式
大前提:ある魚類は鳥類ではない。=真
小前提:すべての人間は魚類ではない。=真
結論:ゆえに、すべての人間は鳥類である。=偽
→実際には、人間は鳥類ではないので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(58) 第一格OEI式
大前提:ある魚類は鳥類ではない。=真
小前提:すべての人間は魚類ではない。=真
結論:ゆえに、ある人間は鳥類である。=偽
→実際には、人間は鳥類ではないので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(59) 第一格OEE式
大前提:ある魚類は二足歩行ではない。=真
小前提:すべての人間は魚類ではない。=真
結論:ゆえに、すべての人間は二足歩行ではない。=偽
→実際には、人間は基本的に二足歩行なので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(60) 第一格OEO式
大前提:ある魚類は陸生動物ではない。=真
小前提:すべての人間は魚類ではない。=真
結論:ゆえに、ある人間は陸生動物ではない。=偽
→実際には、人間は陸生動物なので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(61) 第一格OOA式
大前提:ある魚類は鳥類ではない。=真
小前提:ある人間は魚類ではない。=真
結論:ゆえに、すべての人間は鳥類である。=偽
→実際には、人間は鳥類ではないので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(62) 第一格OOI式
大前提:ある魚類は鳥類ではない。=真
小前提:ある人間は魚類ではない。=真
結論:ゆえに、ある人間は鳥類である。=偽
→実際には、人間は鳥類ではないので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(63) 第一格OOE式
大前提:ある魚類は二足歩行ではない。=真
小前提:ある人間は魚類ではない。=真
結論:ゆえに、すべての人間は二足歩行ではない。=偽
→実際には、人間は基本的に二足歩行なので、これは誤った三段論法の形式と言える。
(64) 第一格OOO式
大前提:ある魚類は陸生動物ではない。=真
小前提:ある人間は魚類ではない。=真
結論:ゆえに、ある人間は陸生動物ではない。=偽
→実際には、人間は陸生動物なので、これは誤った三段論法の形式と言える。
・・・
以上のように、
第一格に属する64通りの三段論法の格式のうち、
第一格AAA式、第一格AAI式、第一格AII式、
第一格EAE式、第一格EAO式、第一格EIO式
という全部で6通りの三段論法の格式のみが、前提が真であれば結論も必然的に真となる妥当な三段論法の形式として認めることができると考えられることになるのです。
・・・
次回記事:第二格に分類される64通りの三段論法の格式の具体例と推論の妥当性の検証、256通りの格式に基づく三段論法のすべての形式②
前回記事:256通りの三段論法の形式の妥当性についての具体的な検証作業の進め方とは?デカルトの方法的懐疑に基づく網羅的なアプローチ
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