コロナショックによる株価暴落の最大下げ幅はリーマンショックを超えた:2008年と2020年の日経平均の暴落幅の比較
2020年3月13日(金曜日)、前日のニューヨーク株式市場におけるダウ平均株価の過去最大の下げ幅となる2300ドルの大暴落を受けて、
東京株式市場においても、一時1800円の下げ幅にもおよぶ日経平均株価の大暴落が起きた。
新型コロナウイルスの世界的な流行が原因となって引き起こされた、言わば、コロナショックとでも呼ぶべき、金融市場における世界的な株価の大暴落である。
2008年のリーマンショックと2020年のコロナショックにおける日経平均株価の暴落幅の比較
近年における世界的な規模での金融市場の大暴落としては、
2008年9月15日(月曜日)に、アメリカ第4位の規模を持つ巨大証券会社にして名門投資銀行であったリーマンブラザーズの経営破綻がきっかけとなって連鎖的に起きた、日本ではリーマンショックと呼ばれる世界規模の金融危機が記憶に新しい。
リーマンショックが起こる直前の日本の株式市場の営業日にあたる
9月12日(金曜日)の日経平均株価の終値は12,214円だったのに対して、それから1か月半後の10月28日にはバブル後の最安値にあたる6,995円にまで株価が下落してしまうことになる。
これが100年に1度と言われたリーマンショックの金融危機における、わずか1か月半で5219円という下げ幅である。(比率としては約42.7%の下げ幅)
それに対して、
今回のコロナショックとでも呼ぶべき新型コロナウイルスの世界的な流行によって引き起こされた金融市場における株価の大暴落においては、
リーマンブラザーズの破綻といった明確な基点となるような劇的な出来事があったというわけではないので、そのはじまりが正確にどの時点であったのかを定義することは難しい。
少なくとも、WHOが遅きに失したパンデミック宣言を出した3月11日よりも2週間以上も前の2月25日には1日で1000円を超える下げ幅の株価の急落がすでに起きていたし、
それより以前の1月の段階においても、中国の武漢を中心に拡大していた新型コロナウイルス肺炎の感染拡大への懸念から、1月17日の年初来高値から2週間でおよそ1000円におよぶ株価の続落がはじまっていた。
1月17日の時点における日経平均の高値が24,115円であるのに対して、今日、3月13日の時点において記録された日経平均の安値は16,691円なので、
この2か月間における株価の下げ幅は、すでに現時点において、7424円を超えていると言える。(比率としては約30.8%の下げ幅)
つまり、そういった意味では、
今回のコロナショックによる株価暴落の最大下げ幅(7424円)は、すでに、リーマンショックにおける株価の下げ幅(5219円)を絶対値としては大きく超える下げ幅になっていると解釈することができるのである。
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2008年のリーマンショック後の日本社会においては、
失業率が4.0%から過去最悪の5.6%へと悪化し、就活生が就職の決まっていた企業から一方的に採用を取り消される内定取り消しといった事態が数多く引き起こされていくなど、
株価の暴落から数か月から1年ほどのタイムラグを経て、雇用や消費などの実体経済が大きく悪化していくことになった。
今回のコロナショックにおける日経平均株価の暴落も、リーマンショックの時と同じように、数か月から1年ほどの時間差を経て、社会全体に大きな悪影響をおよぼしていく危険性がある。
いずれにせよ、
100年に1度と言われていた金融危機がウイルスという金融市場の外から侵入してきた悪魔の手を借りてわずか12年後の今この時に再来しつつあるということは確かなので、
そうした日本社会における実体経済への悪影響を少しでも軽減するためにも、日本国内におけるコロナウイルスの感染拡大を全力を挙げて少しでも早く食い止めたうえで、その後の実体経済の回復のために、国民と政府と企業の総力を挙げて取り組むことが必要だと考えられる。
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次回記事:新型コロナウイルスの起源と責任をめぐる中国とアメリカの争いと『ヒカルの碁』の藤原佐為の碁笥とアゲハマ
前回記事:2020年と2009年のWHOのパンデミック宣言の声明文の内容の比較:安全保障と防疫対策における拙速と巧遅
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