ヘラクレスの狂気と王女メガラとの間に生まれた三人の息子たちの死、古代ギリシア神話の英雄ヘラクレスの物語⑦

前回書いたように、キタイロンの獅子退治を終えて生まれ故郷であるテーバイへと帰ってきたヘラクレス異国の使者たちの一行との間で起こった個人的な争いが発端となることによってはじまったテーバイオルコメノスという二つの都市国家の間の戦争は、

女神アテナの加護を受けた英雄ヘラクレスの活躍によってテーバイの側の勝利に終わることになるのですが、

そうしたテーバイにおける戦争のさなか、ヘラクレスの育ての父であったアムピトリュオンは不運にも命を落としてしまうことになります。

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英雄ヘラクレスとテーバイの王女メガラの結婚と女神ヘラによる第三の復讐

そして、その後、

テーバイの王であったクレオンは、戦争への勝利大きく貢献したヘラクレスのことを讃えて、彼に自分の娘であったメガラと結婚するように勧めることになるのですが、

この申し出を快く受けたヘラクレスは、彼女と結婚して、その後もテーバイの王宮で暮らしていくことになり、

英雄ヘラクレステーバイの王女メガラとの間には、テリマコスクレオンティアデスデーイコオーンという名の三人の息子が生まれることになります。

しかし、

ヘラクレスのもとには、かねてから彼が自分の夫であるゼウスの浮気によって生まれた不貞の子であることを深く根に持ち続けていた嫉妬深い女神であるヘラがつきまとっていて、

こうしたテーバイの王宮において、王女メガラ三人の息子たちに囲まれて幸せに暮らしているヘラクレスの様子を目にした女神ヘラは、

何とかしてヘラクレスの幸せな生活をぶち壊してしまいたいと考えて、再び恐ろしい復讐の計画を練り上げていくことになるのです。

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英雄ヘラクレスとテーバイの王女メガラの結婚と女神ヘラによる第三の復讐

かつて、

まだ赤子であったヘラクレスのもとへと二匹の蛇を送り込んで殺してしまおうとしたものの、ゼウスの血をひくヘラクレスの力によって阻まれることになった女神ヘラは、

女神である自分の力をもってしてもヘラクレスの命を直接奪うことは難しいということは分かっていたので、

その代わりに、その復讐の目を彼自身ではなくヘラクレスの家族へと向けることによって、彼に対して死よりも酷い苦しみを与えようと画策していくことになります。

そして、

女神ヘラは、ヘラクレスのもとへと忍び寄り、彼の心の内に狂気を吹き込むことになるのですが、狂気に駆られて錯乱状態へと陥ってしまったヘラクレスは、

わけも分からぬまま、周りにいた自分の三人の息子と、自分の兄弟であるイピクレス二人の子供たちを次々に火の中に投げ込んでしまうことになり、

自らの手によって、自分の最愛の息子甥っ子たちを炎で焼き殺してしまうことになるのです。

・・・

次回記事:テーバイを追放されたヘラクレスの放浪の旅とデルポイで与えられた二つの神託の言葉、古代ギリシア神話の英雄ヘラクレスの物語⑧

前回記事:ヘラクレスの育ての父アムピトリュオンの死とテーバイとオルコメノスの戦争、古代ギリシア神話の英雄ヘラクレスの物語⑥

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