十種競技(デカスロン)の語源とは?古代ギリシア語の言葉の由来と陸上競技における全部で八種類の混成競技の名称の由来
現代のオリンピックにおける男子の陸上競技の正式種目として採用されている十種競技においては、
100m走と110m障害と400m走と1500m走という四つの競走競技と、走幅跳と走高跳と棒高跳という三つの跳躍競技、そして、やり投と砲丸投と円盤投という三つの投擲競技といった多様な競技種目が行われていくことになりますが、
こうした十種競技と呼ばれる競技種目は、英語やフランス語においてはデカスロン(Decathlon)と呼ばれることになります。
それでは、こうした英語やフランス語において十種競技のことを意味するデカスロンという言葉の由来としては、具体的にどのような語源となる言葉が挙げられることになると考えられることになるのでしょうか?
古代ギリシア語におけるデカスロンという言葉の由来
そうすると、まず、
こうした英語やフランス語におけるデカスロン(Decathlon)という言葉自体の大本の語源となる言葉の由来については、古代ギリシア語に求められることになり、それは、
古代ギリシア語において「10」のことを意味する数詞にあたるデカ(δέκα、deka)と、「競争や競技」、あるいは、そうした競技の勝利者に対して与えられる「賞品や賞金」、さらには、競技が行われる「競技場や闘技場」のことを意味する名詞であったアスロン(ἆθλον、athlon)という二つの言葉が結びつくことによってできた言葉であると考えられることになります。
つまり、そういった意味では、
デカスロン(Decathlon)という言葉は、こうした古代ギリシア語の語源となる意味に基づくと、
競技場において行われることになる十種目の競技そのもののことを意味する言葉であると同時に、競技の勝利者に対して与えられる十の栄冠のことを意味する言葉としても位置づけられることになると考えられることになるのです。
陸上競技における八種類の混成競技の古代ギリシア語に基づく名称
また、
こうした十種競技のことを意味するデカスロン(Decathlon)という言葉と同様に、三種競技から二十種競技までのその他の全部で八種類の混成競技の名称についても、
基本的には、ギリシア語における数詞と、「競技や賞」のことを意味するギリシア語の名詞との組み合わせによって言葉が構成されていくことになると考えられることになります。
つまり、具体的には、
三種競技は、「三つの競技」または「三つの賞」という意味でトライアスロン(Triathlon)、
四種競技は、「四つの競技」または「四つの賞」という意味でテトラスロン(Tetrathlon)、
五種競技は、「五つの競技」または「五つの賞」という意味でペンタスロン(Pentathlon)、
七種競技は、「七つの競技」または「七つの賞」という意味でヘプタスロン(Heptathlon)、
八種競技は、「八つの競技」または「八つの賞」という意味でオクタスロン(Octathlon)、
十種競技は、「十の競技」または「十の賞」という意味でデカスロン(Decathlon)、
そして、さらに、
十四種競技は、「十四の競技」または「十四の賞」という意味でテトラデカスロン(Tetradecathlon)、
または、二重のあるいは二倍の七種競技であるという意味でダブル・ヘプタスロン(Double Heptathlon)、
二十種競技は、「二十の競技」または「二十の賞」という意味でアイコサスロン(Icosathlon)、
または、二重のあるいは二倍の十種競技であるという意味でダブル・デカスロン(Double Decathlon)という名称がそれぞれ付けられていくことになっていったと考えられることになるのです。
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