十二星座と二十四節気の対応関係とは?西洋と東洋における二つの暦の区分のあり方の具体的な対応関係
前回の記事で書いたように、日本や中国といった東洋における一年の区分のあり方においては、古くから十二支や二十四節気に基づく暦の区分のあり方が用いられていたと考えられるのですが、
それに対して、
古代ギリシアから現代のヨーロッパへと続く西洋における一年の区分のあり方においては、黄道十二宮とそれに対応する十二星座を基準とする暦の区分のあり方が広く用いられてきたと考えられることになります。
それでは、
こうした十二星座と二十四節気という東洋と西洋における二つの暦の区分のあり方の間には、具体的にはどのような対応関係が成立していくことになると考えられることになるのでしょうか?
太陽の運行に基づく暦の区分としての十二星座と二十四節気の共通点
そうすると、まず、
黄道十二宮とそれに対応する十二星座を基準とする暦の区分のあり方においては、天球上での太陽の年周軌道にあたる黄道上における春分点の位置を基準として、
そうした黄道上における春分点の位置が黄道十二宮のうちの最初の領域にあたる白羊宮のはじまりの位置として定められたうえで、
そうした春分点を基点として黄道上を30度ずつに区切ったそれぞれの領域に対して、
白羊宮、金牛宮、双児宮、巨蟹宮、獅子宮、処女宮、天秤宮、天蝎宮、人馬宮、磨羯宮、宝瓶宮、双魚宮と呼ばれる黄道十二宮と、
それに対応することになる
おひつじ座、おうし座、ふたご座、かに座、しし座、おとめ座、てんびん座、さそり座、いて座、やぎ座、みずがめ座、うお座という星占いなどでお馴染みの十二星座によって象徴されるにおける天球上における十二の領域の区分が定められていくことになると考えられることになります。
そして、それに対して、
二十四節気と呼ばれる暦の区分のあり方においては、黄道と呼ばれる天球上における太陽の年周軌道のあり方を基準として、一年の期間が、
立春・雨水・啓蟄・春分・清明・穀雨・立夏・小満・芒種・夏至・小暑・大暑・立秋・処暑・白露・秋分・寒露・霜降・立冬・小雪・大雪・冬至・小寒・大寒
という二十四の節気によって分割されていくことによって、春夏秋冬という四季の区分に基づく季節の移り変わりのあり方が細やかな形で示されていくことになると考えられることになります。
そして、
前述した黄道十二宮や十二星座に基づく暦の区分のあり方においては、例えば、白羊宮に対応するおひつじ座は、春分の時期にあたる3月21日から4月19日までの30日の期間を司る星座として位置づけられることになるように、
こうした十二星座に基づく暦の区分において、それぞれの星座が司ることになる暦の期間はかなり中途半端な日付になっていて、そのままでは正確な期間や季節のイメージを捉えづらいところがあると考えられることになるのですが、
こうした黄道十二宮や十二星座に基づく暦の区分のあり方は、それと同じく一年における天球上での太陽の運行のあり方に基づいて暦の区分のあり方が定められている二十四節気と対応づけていくことによって、
それぞれの星座が司ることになる一年における暦の期間と季節のイメージをより具体的な形で把握していくことができると考えられることになります。
十二星座と二十四節気の具体的な対応関係とは?
それでは、
具体的には、いったいどのような形で、そうした十二星座に象徴される一年の暦の区分のあり方と二十四節気との間に対応関係を結んでいくことができるのか?ということについてですが、
それについては、上記の図において示したように、
おひつじ座は、二十四節気において春の季節の中心となる春分と清明にあたる3月21日から4月19日までの30日の期間を司る星座、
おうし座は、 二十四節気において暖かな春の雨が大地を潤していきわずかに夏の気配が立ちはじめていく穀雨と立夏にあたる4月20日から5月20日までの31日の期間を司る星座、
ふたご座は、二十四節気において夏へと向けて気候が暑くなっていくと同時に梅雨入りを迎える小満と芒種にあたる5月21日から6月21日までの32日の期間を司る星座、
かに座は、二十四節気において夏の季節の中心となる夏至と小暑にあたる6月22日から7月22日までの31日の期間を司る星座、
しし座は、二十四節気において暑さが盛りを迎えてからわずかに秋の気配が立ちはじめていく大暑と立秋にあたる7月23日から8月22日までの31日の期間を司る星座、
おとめ座は、二十四節気において暑さが落ち着きはじめて秋へと向けて少しずつ涼しくになっていく処暑と白露にあたる8月23日から9月22日までの31日の期間を司る星座、
てんびん座は、二十四節気において秋の季節の中心となる秋分と寒露にあたる9月23日から10月23日までの31日の期間を司る星座、
さそり座は、二十四節気において大地に霜が降りていきわずかに冬の気配が立ちはじめていく霜降と立冬にあたる10月24日から11月22日までの30日の期間を司る星座、
いて座は、二十四節気において雪が降りはじめてきて本格的な冬の訪れを迎えていく小雪と大雪にあたる11月23日から12月21日までの29日の期間を司る星座、
やぎ座は、二十四節気において冬の季節の中心となる冬至と小寒にあたる12月22日から1月19日までの29日の期間を司る星座、
みずがめ座は、二十四節気において冬の寒さが最も厳しくなってからわずかに春の気配が立ちはじめていく大寒と立春にあたる1月20日から2月18日までの30日の期間を司る星座、
うお座は、二十四節気において気候が少しずつ暖かくなりはじめていく雨水と啓蟄にあたる2月19日から3月20日までの30日の期間を司る星座としてそれぞれ位置づけられていくことになると考えられることになるのです。
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