十二辰とは何か?天球上における十二辰の具体的な配置と太陽や月や星など天体の総称としての「辰」という漢字の意味

古代中国においては、という十二支における十二の動物たちは、

現代の日本における十二支のイメージにもあたるような12年で一周することになる年まわりのことを意味するだけではなく、

東西南北の方位や、1月から12までの十二の月とも対応関係が結ばれていたと考えられていて、

それは、もともとは、地球から観測において夜空に輝く星々が位置づけられていくことになる天球上へと配置された十二の領域の象徴として位置づけられていたと考えられることになるのですが、

そもそも、

こうした古代中国において天球上へと配置されていた十二支の動物たちは、もともとは、十二支(じゅうにし)としてではなく、十二辰(じゅうにしん)という呼び名で呼ばれていたと考えられることになります。

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太陽や月や星など天体の総称としての「辰」という漢字の意味

そうすると、まず、

こうした十二辰という言葉において用いられている辰(しん)という漢字は、この場合は、十二支の動物の一つとしても数え上げられている辰(たつ)すなわち竜(りゅう)のことを意味しているというわけではないと考えられ、

例えば、

北辰(ほくしん)というと、北天の中心においてひときわ輝いている星、すなわち、北極星のことを意味することになり、

三辰(さんしん)というと、天空に輝く三つの天体にあたる太陽と月と星のことを意味することになるというように、

こうした天文学的な意味において用いられている辰という漢字は、太陽や月や星などといった天球上へと位置づけられていくことになる天体の総称のことを意味する言葉として定義することができると考えられることになります。

つまり、そういった意味では、

こうした十二辰という言葉は、そうした天球上における太陽や月や星などといった様々な天体の位置や運行のあり方の基準となる十二の領域のことを意味する言葉として捉えていくことができると考えられることになるのです。

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十二辰の天球上における具体的な配置と東西南北の方位との関係

十二辰の天球上における配置と東西南北の方位との関係

それでは、

こうした十二辰と呼ばれる天球上における十二の領域は、実際の天球上においては、具体的にどのような形で配置されていくことになるのか?ということについてですが、

それについては、上記の図において示したように、まずは、

地球上における赤道が天球上へと投影された天の赤道を中心とする帯状の領域にあたる天の赤道帯に沿って東から西へと十二等分していく形で、

そうした十二辰と呼ばれる天球上における十二の領域の配置がなされていくことになると考えられることになります。

そして、

詳しくは以前に「十二支と東西南北の方位との対応関係」の記事で書いたように、十二支の動物たちと東西南北の方位との対応関係の当たり方においては、

北極星が位置する方角にあたる北の方位が十二支の1番目にあたる子(ね)が司る方位として位置づけられたうえで、そこから東から西へと一周していく形で十二の方角が割り当てられていくことになるのですが、

それと同様に、

こうした天球上における十二の領域においては、そうした北極星を目印とする天の北極が位置する方向にあたる北の方位に位置する天球上の領域が十二辰の1番目にあたる子(ね)が司る領域として位置づけられたうえで、

そこから東から西へと一周していく形でという天球上における十二辰の領域が順番に割り当てられていくことになると考えられることになるのです。

・・・

次回記事:十二支が12年で一周する年まわりのことを意味するようになった由来とは?天文学的な意味における十二支の起源

前回記事:子午線とは何か?地球上と天球上における子午線の具体的な定義の違いと赤道と地平線との位置関係

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