日食と月食における部分食の意味の違いとは?本影と半影との関係に基づく部分日食と部分月食の定義のあり方の違い

日食の種類については、大きく分けて、皆既日食部分日食金環食と呼ばれる三つの日食のあり方へと区分されていくことになるのに対して、

月食の種類については、大きく分けて、皆既月食部分月食半影食と呼ばれる三つの月食のあり方へと区分されていくことになると考えられることになります。

しかし、

こうした日食と月食における部分日食部分月食と呼ばれる二つの天体現象のあり方には、両方とも同じように部分食という呼び名が付けられているとはいっても、

それぞれの天体現象における部分食という言葉の用いられ方については、大きな意味合いの違いがあるとも考えることになります。

スポンサーリンク

部分日食と部分月食における天体の位置関係の違い

部分日食と部分月食における天体の位置関係の違い

そうすると、まず、

こうした部分日食部分月食と呼ばれる二つの天体現象のあり方は、

前者の部分日食は、太陽から地球へと届く光が部分的に遮られてしまうことになる月の半影の領域の内に地球上の観測地点が入ってしまうことによって、太陽の姿の一部だけが欠けて見えなくなるという天体現象として定義されることになるのに対して、

後者の部分月食は、太陽から月へと直接届く光がほぼ完全に遮られてしまうことになる地球の本影の領域の内に月が部分的に入ってしまうことによって、月の姿が一部だけが欠けていくように観測されることになる天体現象として定義されることになると考えられることになります。

つまり、

こうした部分日食部分月食における太陽と月と地球という三つの天体の位置関係のあり方の違いとしては、

上記の図において示したように、

部分日食が観測されることになる地球上の観測地点の位置は、太陽からの光が部分的に遮られることになる月の半影の領域に入ることになるのに対して、

部分月食が観測されることになるときの地球から見た月の位置は、太陽からの光が全面的に遮られることになる地球の本影の領域へと部分的に入っていくことになると考えられることになるのです。

スポンサーリンク

部分日食と部分月食における「部分」という言葉の用いられ方の違い

以上のように、

日食においては、対象となる天体が太陽からの光が部分的に遮られることを意味する半影の領域に入っていることを指して部分食という言葉が用いられているのに対して、

月食においては、対象となる天体が 太陽からの光が全面的に遮られることになる本影の領域へと部分的に入っていることを指して部分食という言葉が用いられていると考えられることになるのですが、

ちなみに、それに対して、

月食において、部分日食の場合と同様に、対象となる天体が太陽からの光が部分的に遮られることになる半影の領域に入っている状態、

すなわち、地球からの観測において、月の位置地球の半影の領域の内に入っている時に観測されることになる月食のことを意味する言葉としては、そのまま半影食あるいは半影月食という言葉が用いられることになります。

つまり、そういった意味では、

こうした日食と月食における部分食という言葉自体の用いられ方の違いについて、一言でまとめると、

日食においては、部分的に太陽からの光が遮られることになる半影の領域に地球上の観測点が全面的に入っている時に観測される日食という意味でこうした部分食という言葉が用いられているのに対して、

月食においては、全面的に太陽の光が遮られることになる本影の領域に地球から見た月の位置が部分的に入っている時に観測される月食という意味で部分食という言葉が用いられているという点に、

こうした部分日食部分月食と呼ばれる二つの部分食のあり方における具体的な意味の違い具体的な意味の違いがあると考えられ、

さらに言えば、

そうした部分的に太陽からの光が遮られることになる半影の領域に位置するということを意味する部分日食という言葉自体の定義のあり方に基づいた場合、

そうした本来の意味における部分日食に対応することになる月食のあり方としては、部分月食ではなく半影月食と呼ばれる月食のあり方が対応することになるとも考えられることになるのです。

・・・

次回記事:月食と満月の関係とは?月食は必ず満月の日に起こるのに満月の日に必ずしも月食が起こるわけではない理由

前回記事:皆既月食と部分月食と半影月食の違いとは?地球と月の位置関係の違いに基づく三つの月食の具体的な特徴の違い

天文学のカテゴリーへ

スポンサーリンク
サブコンテンツ

このページの先頭へ