天球における日周運動と年周運動の違いとは?夜空に見える星座の移り変わりと天球の年周運動との関係

前回の記事で書いたように、地球から観測されることになる太陽や月や星といったすべての天体は、地球の自転運動に対応して、東から西へと一日で一回転していくように観測されていくことになるのですが、

こうした地球から観測されることになるすべての天体がその上に配置されていくことになる天球と呼ばれる一種のプラネタリウムのような仮想的な球面の回転運動のあり方は、

こうした一日の周期でほぼ一回転していくことになる天球の日周運動だけではなく、一年の周期で一回転していくことになる天球の年周運動と呼ばれる回転運動のあり方においても観測されていくことになると考えられることなります。

スポンサーリンク

天球における日周運動と年周運動の具体的な特徴の違い

そうすると、まず、はじめに挙げた

天球の日周運動と呼ばれる回転運動のあり方においては、詳しくは前回の記事で考察してきたように、北極の側から見ると反時計回り、そして、赤道の側から見ると西から東へと回転していくことになる地球における東向きの自転運動のあり方に基づいて、

星々が配置されている天球の側の日周運動のあり方は、そうした地球の自転運動の向きとは反対に、東から西へ一日でほぼ一回転していくように観測されていくことになると考えられることになります。

そして、それに対して、

天球の年周運動と呼ばれる回転運動のあり方においては、太陽の周りを一年かけて回っていくことになる地球の公転運動の影響によって、

太陽の位置を固定して考えてみた場合、そうした太陽の位置に対して、天球の側が一年をかけて一周して同じ位置に戻ってくるような回転運動を行っているように観測されていくことになると考えられ、

こうした天球の年周運動の原因となっている地球の公転運動の方向のあり方は自転運動の方向の場合と同じく北極の側から見ると反時計回り、つまり、赤道の側から見ると東向きに回転していくように観測されていくことになるため、そうした地球における東向きの公転運動のあり方に基づいて、

星々が配置されている天球の側の年周運動のあり方は、そうした地球の公転運動の向きとは反対に、太陽の位置に対して東から西へ一日で約1度ずつその位置関係がずれていき、一年で一回転していくように観測されていくことになると考えられることになります。

つまり、そういった意味では、

こうした天球における日周運動年周運動違いとしては、

前者の天球の日周運動においては、太陽や月や星といったすべての天体が地球の自転運動の向きとは反対に、東から西へ一日でほぼ一回転していくように観測されていくことになるのに対して、

後者の天球の年周運動においては、太陽の位置に対して、星々が配置されている天球の側だけが地球の公転運動の向きとは反対に、東から西へ一日で約1度ずつ一年で一回転していくように観測されることになるという点に、

こうした天球の二つの回転運動のあり方における具体的な特徴の違いを見いだしていくことができると考えられることになるのです。

スポンサーリンク

夜空に見える星座の位置と種類の移り変わりと天球の年周運動との関係

そして、

こうした地球の公転運動の影響によって生じることになる天球の年周運動のあり方は、実際の天体観測においては、夜空における星座の位置の変化としても観測されていくことになると考えられることになります。

例えば    、

毎日同じ時刻夜空の天体観測を続けていくとすると、

上述したような天球の年周運動と呼ばれる太陽の位置に対して星々が配置されている天球の側東から西へ一日で約1度ずつ回転していく回転運動の影響によって、

夜の同じ時刻における一つ一つの星座の位置は、前日に観測された星座の位置よりも1度ほど西側にずれて観測されることになると考えられることになります。

つまり、

夏の星座冬の星座などと呼ばれるように季節の移り変わりに応じて夜空に見える星座の位置と種類のあり方に少しずつ変化が生じていくことになる理由としては、

こうした天球の年周運動と呼ばれる太陽の位置に対する星々が配置されている天球の側の回転運動のあり方にその大本の原因が求められることになると考えられ、

前述したように、

天球の年周運動のあり方においては、太陽の位置に対する天球の位置は一年をかけて元と同じ位置に戻ってくることになると考えられることになるため、

そういった意味では、

地球の自転運動の中心軸にあたる地軸の方向自体の微細な変化によってもたらされる歳差運動によって生じる一年間にわずか0.01度ほどの角度のズレを除くと、

地球が公転運動によって太陽の周りを一周することになるちょうど一年後の同じ時刻になると、星座が配置されている天球と太陽が再び一年前と同じ位置関係になることによって、一年前とほぼ同じ夜空の姿が戻ってくることになると考えられることになるのです。

・・・

次回記事:天の赤道とは何か?天球における天の北極と天の南極との位置関係とそれぞれの概念の幾何学的な定義

前回記事:太陽が東から昇り西へと沈むのはなぜか?地球の自転方向と太陽を含むすべての天体の見かけ上の回転方向との関係

天文学のカテゴリーへ

スポンサーリンク
サブコンテンツ

このページの先頭へ