おうし座の星の名前と由来とは?星座の目と角の位置にある四つの星と牡牛の肩に乗せられた巨大なプレアデス星団
黄道十二星座の一つとして位置づけられている牡牛座(おうしざ)は、黄道十二宮における金牛宮(きんぎゅうきゅう)の領域とも結びつけられることによって、
二十四節気のうちの穀雨から小満の頃までの時期にあたる 4月20日から5月20日までの31日間の期間を司る星座としても位置づけられることになるのですが、
天文学において、こうしたおうし座を構成する主要な星としては、具体的にどのような星の名前が挙げられることになると考えられることになるのでしょうか?
おうし座を構成する主要な四つの星と二つの星団の名前と具体的な由来
そうすると、まず、
こうした日本語ではおうし座、英語ではTaurus(トーラス)と呼ばれる星座は、現代の天文学においては、全部で248個ほどの恒星によって構成されている大規模な星座として位置づけられることになるのですが、
こうしたおうし座を構成している様々な星々のうち、地球から見たとき比較的明るくて大きい星として観測されることになる主要な星の名前を挙げていくとすると、
アルデバラン、アイン、エルナト、天關といった四つの星の名前と、プレアデス星団とヒアデス星団と呼ばれる二つの星団の名前を挙げていくことができると考えられることになります。
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こうしたおうし座を構成する主要な四つ恒星と二つの星団のうち、はじめに挙げた
アルデバラン(Aldebaran)とは、アラビア語において「後に続くもの」を意味するad-dabarān(アッ・ダバラーン)という言葉に由来する名前を持つ星であり、
この星が東の地平線から昇ってくるときに後述するプレアデス星団と呼ばれる巨大な星団の後に続いて昇ってくることになるためこうした呼び名がつけられることになったと考えられることになるのですが、
こうしたアルデバランと呼ばれるおうし座を代表する恒星は、全天のなかでも最大級の明るさを誇る一等星の明るさを持つ橙色の巨星として位置づけられることになります。
そして、その次に挙げた
アイン(Ain)とは、アラビア語において「牛の目」を意味するʿain al-thaur(アイン・アル・タウル)という言葉に由来する名前を持つ星であり、
この星は前述したアルデバランと共にヒアデス星団(Hyades)と呼ばれるV字形に広がる星の集団を構成する星々のうちの一つとして位置づけられることになると考えられることになります。
そして、その次に挙げた
エルナト(Elnath)とはアラビア語において「角で突く」といった意味を表すan-naţħ(アンナト)という言葉に由来する名前を持つ星、
天關(てんかん、ティアングアン)は中国語において「天界の入り口にある門」を意味する言葉に由来する名前を持つ星としてそれぞれ位置づけられることになると考えられることになります。
そして、
こうしたおうし座を構成している主要な恒星の右上の方向には、日本語ではすばる(昴)という呼び名で有名なプレアデス星団(Pleiades)が位置していて、
プレアデス星団には望遠鏡で観測することができるだけでも120個以上の恒星が含まれていると考えられることになるのですが、
そうしたおうし座のプレアデス星団を構成している主要な星の名前としては、
こうしたプレアデス星団という言葉の直接的な由来となったギリシア神話におけるプレアデス七姉妹とその両親にあたるアトラスとプレイオネの名に由来する
アルキオネ(Alcyone)、ケラエノ(Celaeno)、エレクトラ(Electra)、タイゲタ(Taygeta)、マイア(Maia)、アステローペ(Asterope)、メローペ(Merope)、そして、アトラス(Atlas)とプレイオネ(Pleione)といった9つの星の名前を挙げていくことができると考えられることになるのです。
牡牛の目と角にあたる四つの星と牡牛の肩に乗せられた巨大な星団
そして、
こうしたおうし座を構成している主要な星や星団を線でつなげて星座の形を描いていく場合には、
前述した主要な四つの星のうち、
はじめに挙げたアルデバランとアインと呼ばれる二つの恒星が牡牛の顔にある二つの目を構成することになるのに対して、
その次に挙げたエルナトと天關と呼ばれる二つの恒星が牡牛の二本の角を構成していくことになり、
さらに、そうした牡牛のちょうど肩にあたる位置にプレアデス星団と呼ばれる巨大な星団が位置づけられていくことになると考えられることになるのです。
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