楊貴妃と桜や梅や牡丹といった春の花たちとの関係と皇妃の好物であったモモやライチといった果実にまつわるエピソード

楊貴妃(ようきひ)とは、8世紀頃古代中国唐の時代の皇帝であった玄宗(げんそう)の皇妃(こうひ)にあたる人物であり、

古代エジプトの女王であるクレオパトラや、古代ギリシアのスパルタの王妃であるヘレネなど共に、世界三大美女などとしても数え上げられることの多い古代中国を代表する絶世の美女として名高い女性としても位置づけられることになります。

そして、

こうした楊貴妃と呼ばれる人物は、皇帝の寵愛を一身に受けることによって、側室の身分でありながら皇帝の正妻にあたる皇后と同じ扱いを受ける立場にまでのぼりつめていくことになり、宰相となった楊国忠を筆頭に、政界の主要な高位高官の地位を楊貴妃の親族にあたる楊一族が独占していくほどまでに絶大なる権勢をふるっていくことになるのですが、

その後、そうした宰相であった楊国忠と対立関係にあった北方の辺境地域の総督にあたる節度使であった安禄山とその部下の史思明によって安史の乱(あんしのらん)と呼ばれる大乱が起きると、

玄宗皇帝と共に長安の都から楊貴妃の生まれ故郷でもあった蜀の国、現代の中国の四川省のあたりへと逃げのびていく道の途上、こうした事態へと陥ってしまうこととなった責めを一身に受けることになった楊貴妃は、玄宗皇帝に仕える腹心の部下であった宦官の進言によって、皇帝に仕える兵士たちの手によって縊り殺されてしまうことになります。

そして、

こうした皇帝の寵愛を一身に受けることによって一度は栄華を極めながら、最期には悲劇の死を迎えるという栄枯盛衰を極めた激動の人生を生きた絶世の美女である楊貴妃は、

そうした容姿の美しさと、彼女が歩むことになった人生の儚さなどからも、、桜や梅などといった春を代表する花たちの姿が、そうした悲劇の美女である楊貴妃の姿になぞらえて語られることが多いと考えられることになるのです。

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楊貴妃と桜や梅や牡丹などといった春の花たちとの関係とは?

そして、

こうした古代中国の唐の時代に生きてい絶世の美女である楊貴妃の名が直接的に冠せられている花の種類としては、、そして、牡丹などといった花の種類の名前が挙げられることになるのですが、

このうち、

桜の品種としての楊貴妃は、サトザクラ(里桜)の一種として分類される淡紅色をした八重咲きの大輪の花を咲かせる迎える花であり、

梅の品種としての楊貴妃は、梅とアンズの交配種にあたる豊後系の梅の一種として分類される淡紅色をした八重咲きの大輪の花を咲かせる花、

牡丹の品種としての楊貴妃もやはり、直径が最大で20cmにもおよぶような淡紅色をした八重咲きの大輪の花を咲かせる花として描写されることになります。

このように、

こうした「楊貴妃」という名前が冠された春の花たちは、どの花の種類も淡紅色すなわち鮮やかなピンク色でよく目立つ八重咲きの大輪の花を咲かせるといった美しく華やかな印象を与える花の種類として位置づけられることになると考えられることになるのです。

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楊貴妃の好物であったモモやライチといった果実にまつわるエピソード

また、

楊貴妃とのつながりが深い植物の種類としては、こうした桜や梅や牡丹などといった美しい春の花たちのほかに、美味を誇る瑞々しい果実たちの名も挙げられることになり、

例えば、

楊貴妃が最も好んで食べていたとされる果物としては、鮮やかな赤い果皮に包まれた白いゼリー状の果肉を食用とする芳香のする南方の果実であるライチ(レイシ、茘枝)の名が挙げられることになります。

楊貴妃が前述したような悲劇の死を遂げたのち、玄宗皇帝のもとに南方からの献上品である茘枝の実が届き、その美しい果実を見て再び彼女のことを思った皇帝が深く嘆き悲しむことになったという逸話なども伝えられているのですが、

こうした楊貴妃の好物がライチであったとされる伝承にちなんで、ライチの果実を原料としたライチ・リキュールを用いたカクテルの一種として、「楊貴妃」という名が冠されたお酒の存在なども挙げられることになります。

また、

そのほかにも、こうした楊貴妃にまつわるエピソードとしては、

彼女は、蟠桃(バントウ)と呼ばれる通常の桃よりも小さくて平たい形状をした強い芳香を放つ桃を好んで食していたといった逸話も伝えられていて、

こうした蟠桃と呼ばれる桃は、長寿と富貴を象徴する果実としても位置づけられていて、三千年に一度だけ花を咲かせ、その実を食した者には不老不死の力が与えられるといった伝説上の果実とも同じ名前を持った桃の種類としても位置づけられることになります。

そして、

こうしたライチと共に楊貴妃とも深い関わりを持つ果実の一つとして位置づけられることになる桃の品種のなかには、そうした絶世の美女として伝わる楊貴妃の名にちなんで、

黄貴妃(おうきひ)と名付けられた香り高い濃厚な甘みを特徴とする日本国内における桃の名産地にあたる福島県産の高級黄桃の存在なども挙げられることになるのです。

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