殺菌・滅菌・抗菌・除菌・消毒の違いとは?病原体への処置の強力さの度合いの違いと細菌とウイルスに対する適用範囲の違い

前回までの一連の記事では、殺菌・滅菌・抗菌・除菌・消毒といった病原体となる細菌などによる感染を防止するための処置のあり方を表す言葉同士の具体的な意味の違いについて詳しく考察してきましたが、

今回の記事では、そうした前回までの一連の記事の総まとめとして、

こうした殺菌・滅菌・抗菌・除菌・消毒といった言葉は、それぞれ具体的にどのような意味を表す言葉であるのか?ということについて改めて簡潔にまとめ直したうえで、

こうした五つの言葉が表す処置のあり方の間には病原体への処置の強力さといった点においてどのような度合いの違いあるのか?

また、それぞれの処置が対象とする細菌やウイルスといった病原体の適用範囲のあり方にはどのような違いがあるのか?といったことについて詳しく考察していきたいと思います。

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殺菌・滅菌・抗菌・除菌・消毒という五つの言葉の具体的な定義と病原体への処置の強力さの度合いの違い

まず、

これまでの記事のなかで詳しく考察してきたように、殺菌・滅菌・抗菌・除菌・消毒という五つの言葉が表す具体的な意味としては、

殺菌とは、病原体となる細菌を殺すあるいは死滅させるといった意味を表す言葉、

滅菌とは、対象物の内に存在するすべての微生物やウイルスを完全に死滅させることを意味する言葉、

抗菌とは、病原体となる細菌の増殖や発育を抑制するといった意味を表す言葉、

除菌とは、対象物に付着している細菌の数を減らして清潔度を高めるといった意味を表す言葉、

消毒とは、対象物に付着している病原体を死滅させたり除去したりすることによって無毒化するといった意味を表す言葉としてそれぞれ定義されることになると考えられることになります。

そして、このように、

こうした言葉自体の意味を互いに比べていくと、まずは、

すべての微生物やウイルスを完全に死滅させると主張する滅菌と呼ばれる処置が病原体に対する最も強力な処置であると考えられることになり、

その次に強力な処置としては、

シンプルに細菌を殺すあるいは死滅させると主張する殺菌と呼ばれる処置が挙げられることになると考えられることになります。

そして、

残りの抗菌と除菌と消毒の三者については、まず、

消毒という言葉については、一般的には殺菌とほぼ同じ意味を表す言葉として用いられることが多い言葉であり、消毒薬や消毒剤といった言葉があるように、それは医薬品などの医学用語に関わる場面においても幅広く用いられている言葉であると考えられるため、

こうした消毒と呼ばれる処置が殺菌に次ぐ三番目に強力な病原体に対する処置のあり方として位置づけられることになると考えられることになります。

それに対して、

除菌という言葉については、それは主に、除菌シート除菌スプレーといった日常的な生活用品においてのみ用いられている言葉であり、医薬品といった医学用語に関わる場面においてはほとんど用いられることがない言葉であると考えられることになるため、

こうした除菌と呼ばれる処置のあり方は、病原体に対する医学的な処置のあり方を意味する言葉としては最も下位に位置づけられることになると考えられることになります。

また、

抗菌という言葉についても、抗菌グッズといった言葉にみられるように、それは日常的な生活用品においてもよく使われている言葉であると考えられることになるのですが、

その一方で、抗菌薬や抗菌剤といった言葉にみられるように、それは医薬品といった医学用語に関わる場面においても比較的多く用いられている言葉でもあると考えられるため、

こうした抗菌と呼ばれる処置における病原体に対する処置の強力さの度合いは、前述した消毒と除菌の中間に位置づけるのが最も適切な序列関係のあり方となると考えられることになります。

つまり、そういった意味では、

こうした殺菌・滅菌・抗菌・除菌・消毒という五つの言葉が表す病原体に対する処置強力さの度合いの違いとしては、

基本的には、

除菌<抗菌<消毒<殺菌<滅菌

といった順で、病原体に対する処置のあり方がより強力になっていくと考えられることになるのです。

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殺菌・滅菌・抗菌・除菌・消毒という五つの処置のそれぞれが対象とする病原体の適用範囲の広さの違い

また、

こうした殺菌・滅菌・抗菌・除菌・消毒という五つの言葉は、それぞれの言葉が表す処置のあり方が対象とする病原体の適用範囲の広さといった点からも区別されることになると考えられることになります。

まず、

消毒という言葉においては、病原体を無毒化するという意味が示されているだけであって、そうした消毒と呼ばれる処置が対象とする病原体の存在は「菌」すなわち細菌のみに限定されていないため、

病原体となるその他の微生物ウイルスについても、それはこうした消毒と呼ばれる処置の対象範囲の内に含まれることになると考えられ、

それに対して、

殺菌と抗菌と除菌という三者については、

どの言葉の内にも「菌」という言葉が含まれていることからも分かるように、それは処置の対象として細菌の存在のみを想定した病原体への対処法のあり方を示す言葉であると考えられることになります。

そして、

もう一つの滅菌という言葉についても、前述した三つの言葉と同じように「菌」という言葉が含まれているため、それは一義的には細菌のみを対象とした病原体への対処のあり方を意味する言葉であると考えられることになるのですが、

その一方で、

こうした滅菌と呼ばれる処置においては、細菌を含むあらゆる生物体やウイルスを形づくっているタンパク質の構造あるいはその設計図にあたるDNARNAの構造自体が完全に破壊し尽されてしまうことになるので、

それは、実質的にはウイルスといった細菌以外の病原体についてもそれを無毒化あるいは不活化する働きをもった処置として位置づけられることになると考えられることになるのです。

・・・

以上のように、

こうした殺菌・滅菌・抗菌・除菌・消毒という五つの言葉が意味する病原体への対処の範囲の広さについては、

殺菌滅菌抗菌という三つの処置のあり方においては、処置の対象となる病原体の存在が細菌に限定されるのに対して、

滅菌消毒という二つの処置のあり方においては、細菌だけではなくウイルスも含むあらゆる病原体が処置の対象範囲として位置づけられることになると考えられることになります。

そして、

こうした五つの言葉のそれぞれが意味する病原体に対する処置強力さの度合いの違いとしては、前述したように、

基本的には、

除菌<抗菌<消毒<殺菌<滅菌

といった序列関係において、病原体に対する処置のあり方が右へ行けば行くほどより強力になっていくと考えられることになるのです。

・・・

次回記事:消毒薬と殺菌剤と抗菌剤の違いとは?外用薬や内服薬としての用途の違いと消毒薬と殺菌剤に分類される薬剤の代表的な種類

前回記事:消毒と殺菌の違いとは?細菌とウイルスという病原体の種類の違いに応じた殺菌と消毒という二つの言葉の適用範囲の違い

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