オバマ前大統領のマケイン上院議員の葬儀における追悼演説の対訳形式での全文和訳②捕虜収容所での試練の時とヘミングウェイの言葉

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オバマ氏とマケイン氏が互いの内に見いだしていた多くの相違点

And, most of all, it showed a largeness of spirit. An ability to see past differences in search of common ground. And, in fact, on the surface, John and I could not have been more different.

そして、こうしたことは、何よりも彼の精神の偉大さを示してもいるでしょう。過去の違いを乗り越えて、互いの内に共通する土台を見つけ出していくことができる精神の力の偉大さを

確かに、目に見える多くの部分において、ジョンと私の間にはこれ以上ないほどに大きな違いがありました。

冒頭のit shows…のit、和訳文中の「こうしたこと」とは、前回の記事で書いたように、マケイン上院議員が生前に、2008年のアメリカ大統領選挙で戦った宿敵でもあったオバマ前大統領に、自分の葬儀における追悼演説を依頼していたことを指している。
in search of~:~を探し求めて

 

We’re of different generations. I came from a broken home and never knew my father. John was the son of one of America’s most distinguished military families. I have a reputation for keeping cool, John, not so much. We were standard bearers of different American political traditions and throughout my presidency, John never hesitated to tell me when he thought I was screwing up, which by his calculation was about once a day.

私たちの世代は遠く離れていて、私の家は母子家庭で自分の父親の顔すらろくに知らずに育ったのに対して、ジョンはアメリカでもっとも名高い軍人一族の出自でした

私は常に冷静でいることで有名ですが、ジョンはそれほどではありません

私たちは互いに異なるアメリカの政治的伝統を代表する先導者であり続け、私が大統領の職にある間中、ジョンは私が何か間違いをしでかしたと思ったときには、そのことをすぐに私に指摘することを一切ためらいませんでした。

彼の計算ではそうしたことは、だいたい一日に一回は必ずあったということです。

broken home:欠損家族、離婚や別居などで両親がそろっていない家庭
standard bearer:旗手、唱導者
screw up:しくじる、へまをする

 

But for all our differences, for all of the times we sparred, I never tried to hide — and I think John came to understand — the long-standing admiration that I had for him.

そして、これはジョンもよく分かってくれていたことだとは思いますが、こうしたすべての違いがあったにもかかわらず、互いの間の議論に費やしてきたすべての時間を通じて、私は彼に対して長年にわたって抱き続けてきた敬意を隠そうとしたことはありませんでした。

for all:~にもかかわらず

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ハノイの捕虜収容所での試練の時とヘミングウェイの言葉

By his own account, John was a rebellious young man. In his case, that’s understandable, what faster way to distinguish yourself when you’re the son and grandson of admirals than to mutiny.

彼自身の説明によれば、ジョンは反抗的な若者でした。彼の場合それはよく理解できることです。なぜならば、もっと大それた反乱でも起こさない限り、それが海軍大将の息子や孫として生まれた人物にとって手っ取り早く名を上げるのに一番いい方法だったからです。

by one’s own account:その人自身の説明によれば
distinguish oneself:名をあげる、有名になる

 

Eventually, though, he concluded that the only way to really make his mark on the world is to commit to something bigger than yourself. And for John, that meant answering the highest of callers, serving his country in a time of war. Others this week and this morning have spoken to the depths of his torment and the depths of his courage there in the cells of Hanoi when, day after day, year after year, that youthful iron was tempered into steel.

しかし、最終的に彼はこう結論づけることになります。本当の意味において世界に自らの足跡を残そうとするならば、そのための唯一の道は、自分自身のことよりもさらに偉大な物事に関わっていくことであると

そして、ジョンにとっては、それは戦時において国のために奉仕するという最も重要な役割を担う召集に応えることを意味していたのです。

人々は、今週、そして今朝になっても、ハノイの独房に囚われていた時の彼の苦悩の深さ、そして、彼の勇気の深さについて語っています。

その時その場所で、一日一日、一年一年と積み重ねられていった時間が、彼の若々しい鉄の魂を、鋼へと鍛え上げていくことになったのです

make one’s mark:有名になる、足跡を残す

 

That brings to mind something that Hemingway wrote in the book that Meghan referred to, his favorite book: “Today is only one day in all the days that will ever be. But what will happen in all the other days that ever come can depend on what you do today”.

このことは、メーガンも引き合いに出していた彼のお気に入りの本であるヘミングウェイの本の中に出てくる以下のような一節を思い起こさせます。

今日という日はこれからも続いていくすべての日々のうちのたった一日であるに過ぎないしかし、これから訪れる残りのすべての日々のなかで何が起こるかは、あなたが今日何を成すかによって決めることができるのだ。」

1行目に記されているMeghan (メーガン)とは、マケイン氏とその妻シンディの長女にあたるメーガン・マケイン氏のことを指している。

 

In captivity, John learned in ways that few of us ever will the meaning of those words. How each moment, each day, each choice, is a test. And John McCain passed that test again and again and again.

捕虜として囚われていた間、ジョンは、私たちのうちの一部の人にとっては以下のような言葉を通じてしか知ることができないことを学びました。

一つ一つの瞬間、一つ一つの日々、一つ一つの選択こそが試練であるということを。そして、ジョン・マケインは、その試練を乗り越え続けたのです。何度も何度も何度も。

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And that’s why when John spoke of virtues like service and duty, it didn’t ring hollow. They weren’t just words to him. It was a truth that he had lived and for which he was prepared to die. It forced even the most cynical to consider, what were we doing for our country.

そして、こうしたことこそが、ジョンが奉仕や義務といった美徳について語る時、その言葉が虚ろに響くことがない理由なのです。

彼にとってそれはだだの言葉ではなく、彼にとっては死を受け入れる覚悟ができていたがゆえに、生き抜くことができたということが真実なのですから

そのことが、一番の皮肉屋にさえ、私たちがこの国のために何をしてきたのかということについて深く考えさせることになるのです。

ring hollow:虚ろに響く、空々しく聞こえる

 

What might we risk everything for? Much has been said this week about what a maverick John was.

私たちはそのために自分のすべてを投げ出すことができただろうか?

それが今週、多くの人々が政界の一匹狼だったジョンがどのような人物であったのかということについて語っていることなのです。

maverick:一匹狼、異端者

・・・

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