意識・前意識・無意識と自我・超自我・エスの具体的な対応関係とは?①両者の概念同士の間の最もシンプルで直接的な一対一の対応関係

前回の記事で書いたように、フロイトの精神分析学と呼ばれる心理学理論のなかで登場する「意識・前意識・無意識」「自我・超自我・エス」という人間の心に関する二つの階層構造のモデルの間には、

両者とも、人間の心のあり方が、全体としては一つに統一された存在でありながら、その内部においては、一定の特徴や役割を持ったある程度独立した心の領域や部分からなる三層構造へと分割されていく形で捉えられているといった点に共通点を見いだすことができると考えられることになります。

そこで、今回の記事では、こうした「意識・前意識・無意識」「自我・超自我・エス」という二つの階層構造のモデルの間には、

より具体的にはどのような対応関係が成立することになると解釈することができるのか?ということについて、さらに詳しく考えていきたいと思います。

スポンサーリンク

意識と無意識、自我とエスの間の橋渡し役としての前意識と超自我の存在

そうすると、まず、前回の記事でも書いたように、

フロイトの前期の心理学理論における人間の心の階層構造のモデルにおいては、

意識は現実において実際に自覚されている心の領域
無意識は直接的な形では自覚することが不可能な心の領域
前意識は現時点では実際には自覚されていないが注意を向ければ自覚することが可能な心の領域としてそれぞれ定義されることになると考えられることになりますが、

そういう意味では、

こうした前意識と呼ばれる心の領域は、それ自体としては自覚することが不可能な心の領域である無意識の内に存在する様々な心的要素を意識の領域の内へと間接的な形で伝達するという役割を担った意識と無意識の間の橋渡し役を担う心の領域として捉えられることができると考えられることになります。

それに対して、

フロイトの後期の心理学理論における人間の心の階層構造のモデルにおいては、

自我は現実おける実際の自覚的な行動や選択を決定づける役割を担う心の部分、
エスは人間の心の基底部分に存在する本能的な欲求や衝動を司る心の部分、
超自我はそうしたエスの内に存在する様々な欲求や衝動を道徳的な命令や規範によって規制する役割を担う心の部分としてそれぞれ定義されることになると考えられることになりますが、

そういう意味では、

こうした超自我と呼ばれる心の部分は、フロイトの前期の心理学理論において前意識として位置づけられている心の領域と同様に、

心の基底部分であるエスにおいて存在するそれ自体としては無自覚的な欲求や衝動が、自我における自覚的な行動の決定に影響を及ぼす際に、

それを道徳的な命令や規範によって規制するという間接的な形で伝達するという自我とエスの間の橋渡し役を担う心の領域として捉えられることができると考えられることになるのです。

スポンサーリンク

意識・前意識・無意識と自我・超自我・エスの直接的な対応関係とは?

意識・前意識・無意識と自我・超自我・エスの間に成立する直接的な対応関係

そして、以上のような考察を踏まえると、

こうした「意識・前意識・無意識」「自我・超自我・エス」という二つの階層構造のモデルを構成するそれぞれの概念について、一対一の対応関係を結んでいくような形で直接的な対応関係を提示していくとするならば、

そこには、上図において示したような対応関係が成立していると解釈することができると考えられることになります。

つまり、

自我とは、それが現実おける自覚的な行動や選択を決定づける役割を担う心の部分であるという点において、それは現実において実際に自覚されている心の領域のことを意味する意識の領域を中心として活動する心の部分でとして位置づけられることになるのに対して、

エス(イド)とは、それが人間の心の基底部分に存在する無自覚的な欲求や衝動を司る心の部分であるという点において、それは自分では直接的には自覚することができない無自覚的な心の領域である無意識の領域を中心として活動する心の部分として位置づけられ、

それに対して、

超自我は、前述したように、前意識が意識と無意識の橋渡し役を担う心の領域であるのと同様に、自我とエスの橋渡し役を担う心の部分として捉えることができるという点において、それは、意識と無意識の中間に位置する前意識の領域を中心として活動する心の部分として位置づけられることになるというように、

こうしたフロイトの心理学理論における「意識・前意識・無意識」「自我・超自我・エス」という二つの階層構造のモデルにおいては、最もシンプルで直接的な対応関係としては、

意識≒自我無意識≒エス(イド)前意識≒超自我という対応関係が成立していると解釈することができると考えられることになるのです。

・・・

次回記事:意識・前意識・無意識と自我・超自我・エスの具体的な対応関係とは?②両者の間に存在するより複雑な構造を持った力動的で立体的な三項対立の対応関係の構図

前回記事:「意識・前意識・無意識」と「自我・超自我・エス」という心理学的な階層構造のモデルの間の具体的な共通点と相違点とは?

心理学のカテゴリーへ
フロイトのカテゴリーへ

スポンサーリンク
サブコンテンツ

このページの先頭へ