デジャブとデジャヴュはどちらが正しい?英語とフランス語の発音の違いとフランス語の語源

デジャブあるいはデジャヴュとは、初めての経験であるにも関わらず、それを以前にも経験したように感じる錯覚のことを意味する言葉であり、それは日本語で言うと既視感と呼ばれる感覚に該当する言葉ということになります。

それでは、こうしたデジャブまたはデジャヴュという言葉の語源はどこにあり、また、両者の表記は、どちらがより正しい発音を示す表記であると考えられることになるのでしょうか?

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déjà vuという単語のフランス語の語源と発音

デジャブあるいはデジャヴュと発音される言葉のもともとの語源は、フランス語déjà vuという単語に求められることになります。

フランス語でdéjà (デジャ)とは、「既に」「以前に」といった意味を表す副詞であり、

vuは、フランス語で「見る」を意味する動詞であるvoir(ヴォワール)過去分詞の形で、「見られた」あるいは「見られたもの」を意味する単語ということになるので、

déjà vuという言葉全体で既に見られたものすなわち既視感といった意味を表すことになります。

そして、フランス語では、通常、単母音のu発音記号のy(ュ)に近い音声として発音されることになるので、

déjà vuという言葉は、その語源であるフランス語においてはデジャヴュと発音するのが正しいと考えられることになるのです。

英語式の発音のカタカナ表記である「デジャブ」と「デジャヴ」

その一方で、こうしたフランス語におけるデジャヴュ(既視感)という概念は、déjà vuという全く同じ単語表記のまま英語の語彙の内にも取り入れられていくことになり、

イギリスアメリカカナダといった英語圏の諸国においては、déjà vuという同じ単語について、デジャヴあるいはデジャブといった英語式の発音がなされるようになっていきます。

ここで、déjà vuという単語の英語式の発音表記について、デジャブデジャヴという二つのカタカナ表記を示しましたが、

上記のそれぞれの発音表記において「ブ」と「ヴ」にあたる部分は、英語におけるアルファベットのvの発音にあたる発音表記ということになるので、

より厳密には、カタカナ表記でも「デジャブ」より「デジャヴ」とした方がより元の英語の単語の発音に即した表記と言えるかもしれません。

しかし、例えば、英語のviolinが、日本語のカタカナ表記では「バイオンリン」とも「ヴァイオリン」とも表記されることもあるように、

こうした表記は、どちらも慣用上許容される正しい表記として容認することができると考えられることになります。

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映画『マトリックス』におけるdéjà vuの発音

ちなみに、こうしたdéjà vuという言葉が実際に作中に語られるシーンが出てくる代表的な映画作品としては、

自分が生きている現実の世界コンピュータによって作られた仮想現実であることを知らされた主人公ネオが、偽りの世界から人類を解放するためにヒロインのトリニティーや解放軍の船長モーフィアスらと共に戦う物語が描かれているアメリカのSF映画『マトリックスの名が挙げられることになります。

 この映画の中では、コンピュータが創り出したマトリックスの世界からの脱出地点を目指すネオたちが建物の中のらせん階段を上っていく場面で、

主人公のネオが、自分の目の前の通路をついさっき右から左へと通り過ぎていったはずの黒猫が、一度見たのと全く同じ姿と同じ動作で再び右から左へと通り過ぎていくのを目にして、déjà vuとつぶやくシーンが出てきますが、

この映画のシーンでは、上記のdéjà vuという言葉は、デジャヴーという英語式の発音で語られています。

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以上のように、

日本語では既視感を意味するdéjà vuという言葉は、

もともとの語源となるフランス語の発音では「デジャヴュ」と発音するのが正しいと考えられることになりますが、

それを「デジャブ」「デジャヴ」と書いたり発音したりすることも決して間違いではなく、それは英語の発音に対応する正しい表記として十分に容認にされると考えられることになるのです。

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次回記事:デジャブ(既視感)が生じる心理学的な三つの原因とは?

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