メドゥーサがゴルゴンの女王となった理由とは?女神アテナのメドゥーサへの呪いと海の神ポセイドンとの恋の物語

古代ギリシア神話における英雄ペルセウスの物語のなかでは、

はるか西の彼方、世界を取り巻く伝説上の巨大な大河にあたるオケアノスのほとりに住んでいるとされる醜い女の怪物であるゴルゴンの女王としてメドゥーサという名の怪物が登場することになりますが、

このように、ギリシア神話において、メドゥーサが醜い姿をしたゴルゴンの怪物たちのなかでも、さらに醜く恐ろしい姿をしたゴルゴンの女王として位置づけられていくことになったのには、具体的にどのような理由神話的な由来があると考えられることになるのでしょうか?

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ゴルゴンの怪物の古代ギリシア語における由来とメドゥーサの出自

そもそも、

こうした伝説上の大河にあたるオケアノスのほとりに住むとされているゴルゴン(Γοργώνという怪物の名は、

古代ギリシア語において「恐ろしい」「厳しい」といった意味を表すゴルゴス(γοργόςという単語から派生してできた言葉であると考えられていて、

そうした古代ギリシア語におおけるゴルゴス(γοργόςあるいはゴルゴン(Γοργώνといった言葉は、もともと、ゴーゴーと唸り声を上げる広大な海の怒涛から連想されてできた言葉であると考えられることになります。

そして、

ギリシア神話においては、こうしたゴルゴンと呼ばれる海の怪物たちは、

ポントス(大洋)ガイア(大地)から生まれたとされるポルコスあるいはポルキュースと呼ばれる太古の海の神から生まれたとされていて、

のちに、ゴルゴンと呼ばれる怪物たちの女王となるメドゥーサも、もともとは、こうした太古の海の神にあたるポルコスの娘として生まれた一人の美しい少女であったと考えられることになるのです。

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女神アテナのメドゥーサへの呪いと彼女がゴルゴンの女王となった理由

そして、

こうした太古の海の神ポルコスの娘として生まれた美しい少女であったメドゥーサは、やがて、ゼウスを盟主とする新しい時代の神々にあたるオリュンポス十二神のうちの一人に数え上げられる海の王ポセイドンとの恋に落ちることになり、

ある時、

ポセイドンの愛人となったメドゥーサは、ポセイドンとの密やか逢瀬を求めて、知の女神アテナが祀られた神殿の中へと人目を忍んで二人で入っていくことになるのですが、

その様子を目にした女神アテナは、彼女自身が自ら純潔の誓いを立てている清浄の女神でもあったこともあり、メドゥーサに自分の神殿が汚されたことに怒り狂って、彼女に対してありとあらゆる呪いをかけていくことになります。

そして、

こうした女神アテナによってかけられた恐ろしい呪い力によって、メドゥーサの美しい髪の一本一本は恐ろしい毒蛇へと変わり、

その顔は、頭部全体が竜の鱗で覆われ、口からは猪のような大きく鋭い牙が生えた醜く恐ろしい姿へと変えられてしまうことになり、

メドゥーサの姿を見た男たちは、そのあまりに恐ろしく醜い姿を目にすることによって、一瞬のうちに全身が硬直して石のように固まってしまうことになったため、

その眼には、見たものすべてを石へと変えてしまうという邪眼の力が備わることになったと考えられることになるのです。

そして、その後、

こうした女神アテナ非情な仕打ちに強く抗議したことによってメドゥーサの姉たちも彼女と一緒に恐ろしいゴルゴンの怪物の姿へと変えられてしまったとも語り伝えられているのですが、

このように、

メドゥーサは、女神アテナの激しい怒りをかい、彼女から最も強い憎しみを受けたために、その憎しみと呪いの深さから、もともと恐ろしく醜い姿をしたゴルゴンたちのなかでも、誰よりも恐ろしく醜い姿をした怪物へと変えられてしまうことになり、

そうした何者よりも恐ろしくおぞましい姿によって人々を強く恐怖させることによって、誰よりも強い邪眼の力を得ることにもなったため、

すべてのゴルゴンの上に立つ怪物たちの女王として君臨することになったと考えられることになるのです。

・・・

次回記事:ゲーテの『ファウスト』に登場するフォルキュアスと悪魔メフィストフェレスの対話とギリシア神話の海の怪物ゴルゴンとの関係

前回記事:ミケーネ文明の伝説上の始祖となった英雄ペルセウス、古代ギリシア神話の英雄ペルセウスの物語⑥

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