現代の時代がうお座からみずがめ座への移行期間として位置づけられる理由とは?
現代における神秘主義やオカルティズムあるいはニューエイジと呼ばれるような思想運動においては、西洋占星術との関連から、
2000年代ごろを境界とする現代の時代が、西洋占星術の土台となる黄道十二宮においてうお座によって司られる時代からみずがめ座によって司られる時代への移行期間にあたる時代として位置づけられていくことがありますが、
このように、
現代の時代がうお座からみずがめ座への移行期間として位置づけられることがある具体的な理由については、より正確にはどのような形で説明していくことができると考えられることになるのでしょうか?
現代の時代がうお座からみずがめ座への占星術的な意味における移行期間にあたる時期として位置づけられる理由
そうすると、まず、詳しくは前回の記事で書いたように、
現在の天球上において、黄道十二宮の基点となる実際の春分点の位置は、うお座の西の端にあたる地点に位置していて、
こうした天球上における春分点の位置は、歳差運動と呼ばれる地球の自転運動の中心軸にあたる地軸の微細なブレの影響を受けるによって、
天球上における太陽の通り道にあたる黄道上を2万5800年ほどの周期で少しずつ西へと移動していくことになり、
だいたい2000年ほどの期間で、そうした天球上における春分点の位置は、黄道十二宮における隣の領域へと移動していくことになると考えられることになります。
そして、
地球上から観測されることになる天球上における春分点の位置が黄道十二宮の最初の領域にあたる白羊宮に対応するおひつじ座の領域から現在のうお座の領域へと入ってきたのは、今から2000年ほど昔の紀元前後の時代であったと考えられることになるため、
それからちょうど2000年ほどの時が流れた時代にあたる2000年代ごろを境界とする現代の時代が、
うお座からみずがめ座へと黄道十二宮の全体を司る基点となる星座が交代していくことになる占星術的な意味における移行期間にあたる時期として捉えられていくようになっていったと考えられることになるのです。
精神世界における主導的な思想の交代を象徴する一つの予兆としてのうお座からみずがめ座への移行期間の位置づけ
ちなみに、
天球上における実際の十二星座の配置のあり方においては、おひつじ座からうお座までの十二の星座は、太陽の通り道にあたる黄道上において、必ずしもぴったり等間隔で並んでいるというわけではなく、
おひつじ座とうお座との間の距離と比べて、うお座とみずがめ座との間の距離は少し遠く離れているということもあり、
実際の春分点の位置が現在のうお座からみずがめ座への付近と移動していくことになるのは、今から500年ほど後の2500年ごろの時代であると考えられることになるのですが、
このように、
現代の時代における神秘的な思想運動の一部の流れのなかで、こうした西洋占星術におけるうお座からみずがめ座へと続く支配的な星座の移行期間が重視されていくようになっていったのは、
そうした天球上における太陽と十二星座との位置関係のあり方についてだけではなく、それぞれの星座が象徴することになる思想と世界観のうちにもその根本的な理由を求めていくことができると考えられることになります。
前述したように、
天球上における春分点の位置が現在のうお座の領域へと入ってきたのは、今から2000年ほど昔の紀元前後の時代であったと考えられることになるのですが、
この時期は、ちょうどユダヤのベツレヘムにおいてイエス・キリストが誕生した時期とぴったり一致していて、西洋占星術におけるうお座の支配の時代は、
現代の世界における支配的な宗教にあたるキリスト教の成立と共にはじまっていったとも捉えていくことができると考えられることになります。
つまり、そういった意味では、
こうした神秘的な思想運動の流れのなかで強調されることがある占星術におけるうお座からみずがめ座への移行期間としての現代の時代の位置づけのあり方においては、
キリスト教を中心とする旧来の思想と世界観による支配の時が終わりを迎え、自分たちが標榜する新しい時代の思想と世界観による支配の時の到来が天上の世界においても地上の世界においても告げ知らされていくことになるという
精神世界における主導的な思想の交代を象徴する一つの予兆として、そうしたうお座からみずがめ座へと移行していくことになる支配的な星座の移行期間の解釈がなされているとも考えられることになるのです。
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次回記事:イクスースとは何か?①古代ギリシア語におけるΙΧΘΥΣの意味とイエス・キリストとの関係
前回記事:現在の春分点がおひつじ座ではなくうお座に位置する理由とは?2000年の周期で黄道十二宮の隣の領域へ移動していく春分点
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