多年草の四つの区分とは？宿根草と常緑草と球根植物と一稔性植物の具体的な特徴と分類される代表的な植物の種類

前回の記事で書いたように、多年草とは、一言でいうと、

植物としての生存期間の長さが二年以上におよぶ草本植物のグループのことを意味する言葉として定義されることになるのですが、

こうした多年草と呼ばれる草木植物の種類は、植物学や園芸の分野などにおけるより厳密な分類のあり方においては、

 宿根草と常緑草、そして、一稔性植物と球根植物といった植物のグループへとさらに細かく区分されていくことになると考えられることになります。

そこで、今回の記事では、

そうした多年草に区分されることになる宿根草と常緑草と一稔性植物と球根植物といった植物のグループは、それぞれ具体的にどのような特徴を持った植物のグループであると考えられ、

そうした四つの多年草のグループのそれぞれに分類される代表的な植物の種類としては、具体的にどのような種類の草花や野菜の名前などが挙げられることになるのか？といったことについて、詳しく考察していきたいと思います。

宿根草と常緑草の具体的な特徴と分類される代表的な植物の種類

そうすると、まず、

こうした多年草と呼ばれる草木植物のグループに分類される四つの植物のグループのうちのはじめに挙げた

宿根草（しゅくこんそう）とは、

冬の時期になると植物体の地上部分が枯れてしまうことになるものの、地下部分は休眠状態のまま生存し続けることによって、翌年の春に再び植物体の地上部分を再生していくことによって多年にわたって繰り返し花を咲かせ続けていくことになる多年草の種類として定義されることになります。

そして、

こうした宿根草に分類される代表的な植物の種類としては、

キク（菊）、ススキ、キキョウ（桔梗）、スズラン（鈴蘭）、シャクヤク（芍薬）、ボタン（牡丹）、ハナショウブ（花菖蒲）、スミレ、アヤメ、シロツメクサ（クローバー）、ガーベラ、ラベンダー、ハルジオン、フキ、ウド、アスパラガスなどといった草花や野菜の種類の名前が挙げられることになります。

そして、それに対して、その次に挙げた

常緑草（じょうりょくそう）あるいは常緑多年草とは、

冬の時期になっても植物の茎や葉が枯れることがなく、一年中緑の葉をつけ続けたままの状態で多年にわたって繰り返し花を咲かせ続けていくことになる多年草の種類として定義されることになります。

そして、

こうした常緑草に分類される代表的な植物の種類としては、

コチョウラン（胡蝶蘭）、シュンラン（春蘭）、オンシジウム、カトレア、ゼラニウム、アシタバ、ユキノシタ、バナナ、パイナップル、イチゴなどといった草花や果物の種類の名前が挙げられることになると考えられることになるのです。

一稔性植物と球根植物の具体的な特徴と分類される代表的な植物の種類

また、こうした宿根草や常緑草などといった毎年繰り返し花を咲かせていくことになる多年草の種類に対して、その次に挙げた

一稔性植物（いちねんせいしょくぶつ）あるいは一回結実性植物とは、

植物としての一生の間にただ一度だけ花をつけて実を結ぶ植物の種類のことを意味する言葉であり、そのなかでも特に、二年以上にもおよぶ長い生育期間の最後に一回だけ花を咲かせるとすぐに枯れていってしまう多年草の種類のことを指して、こうした言葉が用いられる場合が多いと考えられることになります。

そして、

こうした一稔性植物に分類される代表的な植物の種類としては、

タケ（竹）やササ（笹）、リュウゼツラン（竜舌蘭）などといった草花の種類の名前が挙げられることになり、

こうしたタケやササなどといった一稔性植物に分類される多年草の植物たちは、60年から120年におよぶような気の遠くなるような長い生育期間の最後に、息を合わせたように一斉に開花したのち、いっぺんに枯れていってしまうことになるという非常に特異的な生活周期を営んでいくことになると考えられることになるのです。

そして、それに対して、最後に挙げた

球根植物（きゅうこんしょくぶつ）とは、

冬の時期などに地下の根っこの部分に養分を蓄積して、球状や塊状の形状をした球根と呼ばれる地下器官を形成していくことによって冬眠状態へと入り、その後再び球根から芽を出していくことによって多年にわたって繰り返し花を咲かせ続けていくことになる多年草に分類される植物の一種として分類されることになります。

そして、

こうした球根植物に分類される代表的な植物の種類としては、

チューリップ、スイセン（水仙）、ヒヤシンス、シクラメン、ヒガンバナ（彼岸花）、キンポウゲ、カタバミ、アネモネ、ダリアなどといった草花の種類の名前が挙げられることになると考えられることになるのです。

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次回記事：トマトが多年草と一年草の両方に分類される具体的な理由とは？気候や地域の違いに応じた相対的な区分としての両者の定義

前回記事：多年草と一年草の具体的な特徴の違いと両者に分類される代表的な植物の種類とは？

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