原生動物とは何か?鞭毛虫類・肉質虫類・胞子虫類・繊毛虫類の四つの原生動物の種族と分類される代表的な生物の種類

前回書いたように、一般的には、

核膜を持つことによって核と細胞質が明確に区分されている真核生物のなかでも、動物・植物・菌類といった一般的な生物の分類に属さない単細胞性の真核生物のことを指して原生生物という言葉が用いられることになるのですが、

こうした原生生物と呼ばれる生物のグループは、さらに動物に近い性質を持った生物の種族である原生動物と、それ以外のむしろ植物や菌類に近い性質を持った原生生物の種類へとさらに細かく分類されていくことになります。

それでは、

こうした原生生物のなかでも特に動物に近い性質を持った種族が分類されている原生動物と呼ばれる生物のグループには、具体的にはどのような特徴を持った生物の種族が分類されていて、

それぞれの原生動物の種族に分類される代表的な生物の種類としては、具体的にどのような生物の種類の名前が挙げられると考えられることになるのでしょうか?

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原生動物に含まれる四つの生物の種族の区分と原虫との関係

冒頭でも述べたように、

原生生物とは、一言でいうと、核膜を持つことによって核と細胞質が明確に区分されている真核生物のなかでも、一般的な生物の分類に属さない単細胞性の真核生物のことを意味する言葉であり、

こうした原生生物に分類される代表的な生物の種族としては、アメーバミドリムシなどの単細胞動物のほかに、変形菌(粘菌)と呼ばれる生物や、単細胞性の海藻の一部なども挙げられることになります。

それに対して、

原生動物は、こうした原生生物に分類されるような単細胞生物のなかでも、特に、アメーバミドリムシなどの動物としての性質を強く持った生物が分類されることになり、

一般的には、

こうした原生動物と呼ばれる生物のグループは、さらに、大きく分けて、

鞭毛虫類(べんもうちゅうるい)と、肉質虫類(にくしつちゅうるい)、胞子虫類(ほうしちゅうるい)、繊毛虫類(せんもうちゅうるい)という四つの原生動物の種族へと分類されていくことになります。

ちなみに、

こうした原生動物の下位区分にあたる生物の種族の名前がすべて、~虫類という表記となっていることからも分かる通り、

原生動物は、より一般的な表現においては、人や獣、鳥、魚以外の小動物の総称としての虫の一種としても捉えられることになるのですが、

そうしたことから、

例えば、熱帯性の伝染病の原因となる原生動物の一種のことを指してマラリア原虫などと呼ばれているように、

こうした原生動物という言葉の異称としては、原虫(げんちゅう)という言葉が用いられることもあると考えられることになるのです。

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鞭毛虫類・肉質虫類・胞子虫類・繊毛虫類の具体的な特徴と、それぞれの種族に分類される代表的な生物の種類

そして、こうした四つの原生動物の種族のうち、

はじめに挙げた鞭毛虫類と呼ばれる生物の種族には、鞭毛(べんもう)と呼ばれる一本または数本糸状の細胞小器官を使って水中を遊泳するタイプの原生動物が含まれることになり、

具体的には、ミドリムシ(緑虫)ヤコウチュウ(夜光虫)ウチワヒゲムシといった生物の種類が鞭毛虫類に分類されることになります。

そして、

次に挙げた肉質虫類は、別名では、根足虫類(こんそくちゅうるい)とも呼ばれていて、アメーバ運動などと言われるように、細胞体を変形させて移動する方向へと仮足(かそく)を出していくことによって移動を行うタイプの原生動物が含まれることになり、

具体的には、アメーバ有孔虫(ゆうこうちゅう)、太陽虫放散虫といった生物の種類が肉質虫類に分類されることになります。

それに対して、

その次の胞子虫類と呼ばれる生物の種族には、主に、栄養を宿主となる生物から摂取することによって生活している寄生虫タイプの原生動物が含まれることになり、

具体的には、前述したマラリア原虫グレガリナピロプラズマといった生物の種類が胞子虫類に分類されることになります。

そして、

最後に挙げた繊毛虫類と呼ばれる生物の種族には、繊毛(せんもう)と呼ばれる短い毛が全身に多数並んでいて、そうした繊毛を細かく動かすことによって水中を遊泳するタイプの原生動物が含まれることになり、

具体的には、ゾウリムシラッパムシツリガネムシテトラヒメナといった生物の種類が繊毛虫類に分類されることになるのです。

・・・

以上のように、

原生動物とは、一言でいうと、単細胞性の真核生物である原生生物のなかでも、動物としての性質を強く持った生物のことを意味する言葉であり、

こうした原生動物と呼ばれる生物のグループは、さらに、鞭毛虫類・肉質虫類・胞子虫類・繊毛虫類という四つの種族へと分類されていくことになります。

そして、

こうした四つの原生動物の種族のそれぞれに分類されることになる代表的な生物の種類としては、

鞭毛虫類には、ミドリムシ(緑虫)ヤコウチュウ(夜光虫)ウチワヒゲムシ

肉質虫類には、アメーバ有孔虫太陽虫放散虫

胞子虫類には、マラリア原虫グレガリナピロプラズマ

繊毛虫類には、ゾウリムシラッパムシツリガネムシテトラヒメナ

といった生物の種類がそれぞれ挙げられることになる考えられることになるのです。

・・・

次回記事:生物学における原生動物の二通りの位置づけとは?アリストテレスの二界説と近代生物学における生物の分類のあり方の違い

前回記事:原核生物と原生生物の違いとは?具体的な特徴の違いと両者に分類される代表的な生物の種類

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