細胞小器官とは何か?代表的な五つの細胞小器官の種類と具体的な機能と構造のあり方のまとめ

細胞小器官とは、一般的な動物や植物などのすべての多細胞生物と、アメーバゾウリムシミドリムシといった一部の単細胞生物が分類される真核生物を構成している細胞の内部に見られる

細胞内において特定の役割を担うために機能的に分化した組織化された構造体のことを意味する言葉であり、

一般的な動物細胞において見られる細胞小器官具体的な種類としては、代表的なものとして、

ミトコンドリアゴルジ体小胞体リソソーム中心体といった五つの細胞小器官の名前が挙げられることになります。

それでは、こうした五種類の細胞小器官のそれぞれに見られる具体的な機能や構造のあり方とは、どのようなものであると考えられることになるのでしょうか?

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ミトコンドリアと小胞体の構造と細胞内における具体的な機能のあり方

まず、冒頭で挙げた

ミトコンドリア小胞体ゴルジ体リソソーム中心体という五種類の代表的な細胞小器官のうち、

はじめに挙げたミトコンドリア(mitochondriaとは、

細胞の内部で好気呼吸(酸素呼吸)を行うことによって細胞内のエネルギー生産を担っている糸状や顆粒状の形状をした細胞小器官であり、

内膜と外膜と呼ばれる二つの生体膜によって包まれた二重膜構造をしていて、ミトコンドリアDNAと呼ばれる細胞本体とは異なる自分独自のDNAを持っていることなども具体的な特徴として挙げられることになると考えられることになります。

そして、

次に挙げた小胞体(しょうほうたい)と呼ばれる器官は、細胞核を取り囲むような位置にあって、

細胞内における物質の合成と輸送に関わるへん平な袋状の膜構造が幾重にも折り重なった構造をした細胞小器官であり、

特に、小胞体の一種である粗面小胞体の表面に存在するリボソーム(ribosomeと呼ばれる構造体は、それ自身も細胞小器官として分類されることもある粒子なのですが、

こうしたリボソームにおいては、細胞核の内部に存在する染色体上のDNAから伝達される遺伝子情報の読み取りが行われることによって、細胞体を形づくる材料となるタンパク質の合成が行われていくことになるのです。

ゴルジ体・リソソーム・中心体の構造と具体的な機能のあり方

また、

その次に挙げたゴルジ体と呼ばれる器官は、小胞体からは少し離れた位置にあって、

細胞内における物質の加工と分泌に関わり、小胞体と同様にへん平な袋状の膜構造が幾重にも折り重なった構造をした細胞小器官であり、

前述した小胞体において合成された物質は、輸送小胞を介していったんゴルジ体へと運ばれた後、そこでさらなる糖や脂質などの付加が行われていたうえで、分泌小胞などを介した細胞の内外への物質の分泌が行われていくことになります。

これに対して、

その次に挙げたリソソーム(lysosomeと呼ばれる小型の顆粒状の小器官では、細胞外から取り入れられた物質の細胞内消化が行われていくことになり、

リソソームは、自身の内部に備わった加水分解酵素を用いることによって、細胞外から取り入れられた物質を分解して、分解された物質のうちで有用なものは細胞質の内に取り入れられ、不要なものは細胞外へと排出されていくことになります。

そして、

最後に挙げた中心体は、細胞分裂の際に、染色体の移動の基点となる役割を担う働きをもった顆粒状の細胞小器官であり、

細胞内で核分裂がはじまると、こうした中心体と呼ばれる顆粒が二つに分かれて、それぞれが細胞の両極へと移動していき、

これを中心として紡錘体(ぼうすいたい)と呼ばれるラグビーボールのような紡錘形の形状をした繊維性の構造が形成され、それに沿って染色体の移動と分離が進められていくことによって、細胞分裂が行われていくことになるのです。

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以上のように、

動物細胞において見られる細胞小器官のうち、代表的なものとしては、ミトコンドリア小胞体ゴルジ体リソソーム中心体という全部で五種類の細胞小器官の名前が挙げられることになるのですが、

こうしたそれぞれの細胞小器官の細胞内における具体的な機能と構造のあり方について、一言でまとめると、

ミトコンドリアは、細胞内でエネルギー生産の役割を担う二重膜構造を持った糸状や顆粒状の形状をした細胞小器官であり、

小胞体は、細胞内における物質の合成と輸送の役割を担うへん平な袋状の膜構造が幾重にも折り重なった構造をした細胞小器官、

ゴルジ体は、細胞内における物質の加工と分泌の役割を担うへん平な袋状の膜構造が幾重にも折り重なった構造をした細胞小器官、

リソソームは、細胞外から取り入れられた物質の細胞内消化と分解の役割を担う小型の顆粒状の形状をした細胞小器官、

中心体は、細胞分裂の際に、染色体の移動の基点となる役割を担う顆粒状の形状をした細胞小器官であると考えられることになるのです。

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次回記事:植物細胞にのみ存在する二つの細胞小器官とは?液胞と葉緑体の具体的な機能や構造のあり方

前回記事:真核生物と原核生物の違いとは?②細胞内の生命活動のシステムの違いと家内制手工業と工場制手工業の関係との類比

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