第三格に分類される64通りの三段論法の格式の具体例と推論の妥当性の検証、256通りすべての三段論法の形式の検証③

前々回前回の記事では、形式的に可能な三段論法の256通りの格式のうちの全体の二分の一にあたる第一格と第二格に属する合わせて128通りの三段論法の形式について、それぞれの格式を用いた推論の妥当性についての検証を進めてきました。

そこで、今回の記事では、それに引き続き、第三格に分類される64通りの三段論法の格式について、それぞれの格式を用いた推論の具体例を挙げていく形で、

前提が真であれば、結論も必然的に真となる妥当な三段論法の形式を見つけ出していく網羅的な検証作業をさらに進めていきたいと思います。

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・・・

三段論法における四つの格の分類の記事で書いたように、三段論法における推論の形式は、

推論を構成する命題の内のP(大概念)・S(小概念)・M(媒概念)という三つの概念の配置のあり方に応じて、第一格から第四格までの四つの格へと分類されることになりますが、

今回取り上げる第三格に分類される三段論法においては、推論の形式はすべて、

大前提MPである。
小前提MSである。
 結論:ゆえに、SはPである。

といった概念の配置によって構成されることになります。

そして、

上記のM(媒概念)P(大概念)S(小概念)という三つの概念の位置に、

全称肯定命題(A)・特称肯定命題(I)・全称否定命題(E)・特称否定命題(Oという四種類の命題のうちのどの種類の命題が配置されるかによって、

全部で4×4×464通り第三格に属する三段論法の形式が生み出されていくことになるのですが、

こうした第三格のAAAからOOOまでの全部で64通りの三段論法の格式のすべてについて、それぞれの格式を用いた推論の具体例を挙げていく形で推論形式の妥当性についての網羅的な検証を進めていくと、以下のようになります。

第三格AAA式からAOO式までの16通りの三段論法の形式の真偽の検証

(129) 第三格AAA
大前提:すべての人間哺乳類である。=真
小前提:すべての人間動物である。=真
 結論:ゆえに、すべての動物哺乳類である。=偽
実際には、動物のなかには鳥類や魚類といった哺乳類以外の種族もいるので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(130) 第三格AAI
大前提:すべての人間哺乳類である。=真
小前提:すべての人間動物である。=真
 結論:ゆえに、ある動物哺乳類である。=真
確かに、動物のなかには猫やウサギといった哺乳類もいるように、このタイプの推論に対して反例を挙げることは論理的に不可能なので、妥当な三段論法の形式として認めることができる。

(131) 格AAE
大前提:すべての人間動物である。=真
小前提:すべての人間哺乳類である。=真
 結論:ゆえに、すべての哺乳類動物ではない。=偽
実際には、すべての哺乳類は動物に属するので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(132) 第三格AAO
大前提:すべての人間動物である。=真
小前提:すべての人間哺乳類である。=真
 結論:ゆえに、ある哺乳類動物ではない。=偽
実際には、すべての哺乳類は動物に属するので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(133) 第三格AIA
大前提:すべての人間哺乳類である。=真
小前提:ある人間動物である。=真
 結論:ゆえに、すべての動物哺乳類である。=偽
実際には、動物のなかには鳥類や魚類といった哺乳類以外の種族もいるので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(134) 第三格AII
大前提:すべての人間哺乳類である。=真
小前提:ある人間動物である。=真
 結論:ゆえに、ある動物哺乳類である。=真
確かに、動物のなかには猫やウサギといった哺乳類もいるように、このタイプの推論に対して反例を挙げることは論理的に不可能なので、妥当な三段論法の形式として認めることができる。

(135) 第三格AIE
大前提:すべての人間動物である。=真
小前提:ある人間哺乳類である。=真
 結論:ゆえに、すべての哺乳類動物ではない。=偽
実際には、すべての哺乳類は動物に属するので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(136) 第三格AIO
大前提:すべての人間動物である。=真
小前提:ある人間哺乳類である。=真
 結論:ゆえに、ある哺乳類動物ではない。=偽
実際には、すべての哺乳類は動物に属するので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(137) 第三格AEA
大前提:すべての鳥類有翼である。=真
小前提:すべての鳥類人間ではない。=真
 結論:ゆえに、すべての人間有翼である。=偽
実際には、有翼の人間は存在しないので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(138) 第三格AEI
大前提:すべての鳥類有翼である。=真
小前提:すべての鳥類人間ではない。=真
 結論:ゆえに、ある人間有翼である。=偽
実際には、有翼の人間は存在しないので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(139) 第三格AEE
大前提:すべての魚類水生である。=真
小前提:すべての魚類哺乳類ではない。=真
 結論:ゆえに、すべての哺乳類水生ではない。=偽
実際には、クジラなどの一部の哺乳類は水生なので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(140) 第三格AEO
大前提:すべての魚類動物である。=真
小前提:すべての魚類哺乳類ではない。=真
 結論:ゆえに、ある哺乳類動物ではない。=偽
実際には、すべての哺乳類は動物なので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(141) 第三格AOA
大前提:すべての鳥類有翼である。=真
小前提:ある鳥類人間ではない。=真
 結論:ゆえに、すべての人間有翼である。=偽
実際には、有翼の人間は存在しないので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(142) 第三格AOI
大前提:すべての鳥類有翼である。=真
小前提:ある鳥類人間ではない。=真
 結論:ゆえに、ある人間有翼である。=偽
実際には、有翼の人間は存在しないので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(143) 第三格AOE
大前提:すべての魚類水生である。=真
小前提:ある魚類哺乳類ではない。=真
 結論:ゆえに、すべての哺乳類水生ではない。=偽
実際には、クジラなどの一部の哺乳類は水生なので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(144) 第三格AOO
大前提:すべての魚類動物である。=真
小前提:ある魚類哺乳類ではない。=真
 結論:ゆえに、ある哺乳類動物ではない。=偽
実際には、すべての哺乳類は動物なので、これは誤った三段論法の形式と言える。

第三格IAA式からIOO式までの16通りの三段論法の形式の真偽の検証

(145) 第三格IAA
大前提:ある哺乳類水生である。=真
小前提:すべての哺乳類動物である。=真
 結論:ゆえに、すべての動物水生である。=偽
実際には、動物のなかには水生動物だけではなく陸生動物もいるので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(146) 第三格IAI
大前提:ある哺乳類水生である。=真(例えば、クジラなど)
小前提:すべての哺乳類動物である。=真
 結論:ゆえに、ある動物水生である。=真
確かに、動物のなかにはクジラや魚といった水生動物もいるように、このタイプの推論に対して反例を挙げることは論理的に不可能なので、妥当な三段論法の形式として認めることができる。

(147) IAE
大前提:ある人間動物である。=真
小前提:すべての人間哺乳類である。=真
 結論:ゆえに、すべての哺乳類動物ではない。=偽
実際には、すべての哺乳類は動物に属するので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(148) 第三格IAO
大前提:ある人間動物である。=真
小前提:すべての人間哺乳類である。=真
 結論:ゆえに、ある哺乳類動物ではない。=偽
実際には、すべての哺乳類は動物に属するので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(149) 第三格IIA
大前提:ある動物クジラである。=真
小前提:ある動物である。=真
 結論:ゆえに、すべてのクジラである。=偽
実際には、猫はクジラではないので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(150) 第三格III
大前提:ある動物クジラである。=真
小前提:ある動物である。=真
 結論:ゆえに、あるクジラである。=真
実際には、猫はクジラではないので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(151) 第三格IIE
大前提:ある動物哺乳類である。=真
小前提:ある動物である。=真
 結論:ゆえに、すべての哺乳類ではない。=偽
実際には、猫は哺乳類に属するので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(152) 第三格IIO
大前提:ある動物哺乳類である。=真
小前提:ある動物である。=真
 結論:ゆえに、ある哺乳類ではない。=偽
実際には、猫は哺乳類に属するので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(153) 第三格IEA
大前提:ある鳥類有翼である。=真
小前提:すべての鳥類人間ではない。=真
 結論:ゆえに、すべての人間有翼である。=偽
実際には、有翼の人間は存在しないので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(154) 第三格IEI
大前提:ある鳥類有翼である。=真
小前提:すべての鳥類人間ではない。=真
 結論:ゆえに、ある人間有翼である。=偽
実際には、有翼の人間は存在しないので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(155) 第三格IEE
大前提:ある魚類水生である。=真
小前提:すべての魚類哺乳類ではない。=真
 結論:ゆえに、すべての哺乳類水生ではない。=偽
実際には、クジラなどの一部の哺乳類は水生なので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(156) 第三格IEO
大前提:ある魚類動物である。=真
小前提:すべての魚類哺乳類ではない。=真
 結論:ゆえに、ある哺乳類動物ではない。=偽
実際には、すべての哺乳類は動物なので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(157) 第三格IOA
大前提:ある動物クジラである。=真
小前提:ある動物ではない。=真
 結論:ゆえに、すべてのクジラである。=偽
実際には、猫はクジラではないので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(158) 第三格IOI
大前提:ある動物クジラである。=真
小前提:ある動物ではない。=真
 結論:ゆえに、あるクジラである。=偽
実際には、猫はクジラではないので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(159) 第三格IOE
大前提:ある魚類水生である。=真
小前提:ある魚類哺乳類ではない。=真
 結論:ゆえに、すべての哺乳類水生ではない。=偽
実際には、クジラなどの一部の哺乳類は水生なので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(160) 第三格IOO
大前提:すべての魚類動物である。=真
小前提:ある魚類哺乳類ではない。=真
 結論:ゆえに、ある哺乳類動物ではない。=偽
実際には、すべての哺乳類は動物なので、これは誤った三段論法の形式と言える。

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第三格EAA式からEOO式までの16通りの三段論法の形式の真偽の検証

(161) 第三格EAA
大前提:すべての人間鳥類ではない。=真
小前提:すべての人間哺乳類である。=真
 結論:ゆえに、すべての哺乳類鳥類である。=偽
実際には、哺乳類は鳥類とは異なる種族なので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(162) 第三格EAI
大前提:すべての人間鳥類ではない。=真
小前提:すべての人間哺乳類である。=真
 結論:ゆえに、ある哺乳類鳥類である。=偽
実際には、哺乳類は鳥類とは異なる種族なので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(163) EAE
大前提:すべての人間鳥類ではない。=真
小前提:すべての人間動物である。=真
 結論:ゆえに、すべての動物鳥類ではない。=偽
実際には、動物のなかには鳥類も含まれるので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(164) 第三格EAO
大前提:すべての人間鳥類ではない。=真
小前提:すべての人間動物である。=真
 結論:ゆえに、ある動物鳥類ではない。=真
確かに、動物のなかには哺乳類や魚類といった鳥類以外の種族もいるように、このタイプの推論に対して反例を挙げることは論理的に不可能なので、妥当な三段論法の形式として認めることができる。

(165) 第三格EIA
大前提:すべての人間鳥類ではない。=真
小前提:ある人間哺乳類である。=真
 結論:ゆえに、すべての哺乳類鳥類である。=偽
実際には、哺乳類は鳥類とは異なる種族なので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(166) 第三格EII
大前提:すべての人間鳥類ではない。=真
小前提:ある人間哺乳類である。=真
 結論:ゆえに、ある哺乳類鳥類である。=偽
実際には、哺乳類は鳥類とは異なる種族なので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(167) 第三格EIE
大前提:すべての人間鳥類ではない。=真
小前提:ある人間動物である。=真
 結論:ゆえに、すべての動物鳥類ではない。=偽
実際には、動物のなかには鳥類も含まれるので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(168) 第三格EIO
大前提:すべての人間鳥類ではない。=真
小前提:ある人間動物である。=真
 結論:ゆえに、ある動物鳥類ではない。=真
確かに、動物のなかには哺乳類や魚類といった鳥類以外の種族もいるように、このタイプの推論に対して反例を挙げることは論理的に不可能なので、妥当な三段論法の形式として認めることができる。

(169) 第三格EEA
大前提:すべての人間クジラではない。=真
小前提:すべての人間ではない。=真
 結論:ゆえに、すべてのクジラである。=偽
実際には、猫はクジラではないので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(170) 第三格EEI
大前提:すべての人間クジラではない。=真
小前提:すべての人間ではない。=真
 結論:ゆえに、あるクジラである。=偽
実際には、猫はクジラではないので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(171) 第三格EEE
大前提:すべての人間有翼ではない。=真
小前提:すべての人間鳥類ではない。=真
 結論:ゆえに、すべての鳥類有翼ではない。=偽
実際には、すべての鳥類は有翼なので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(172) 第三格EEO
大前提:すべての人間有翼ではない。=真
小前提:すべての人間鳥類ではない。=真
 結論:ゆえに、ある鳥類有翼ではない。=偽
実際には、すべての鳥類は有翼なので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(173) 第三格EOA
大前提:すべての人間クジラではない。=真
小前提:ある人間ではない。=真
 結論:ゆえに、すべてのクジラである。=偽
実際には、猫はクジラではないので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(174) 第三格EOI
大前提:すべての人間クジラではない。=真
小前提:ある人間ではない。=真
 結論:ゆえに、あるクジラである。=偽
実際には、猫はクジラではないので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(175) 第三格EOE
大前提:すべての人間有翼ではない。=真
小前提:ある人間鳥類ではない。=真
 結論:ゆえに、すべての鳥類有翼ではない。=偽
実際には、すべての鳥類は有翼なので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(176) 第三格EOO
大前提:すべての人間有翼ではない。=真
小前提:ある人間鳥類ではない。=真
 結論:ゆえに、ある鳥類有翼ではない。=偽
実際には、すべての鳥類は有翼なので、これは誤った三段論法の形式と言える。

第三格OAA式からOOO式までの16通りの三段論法の形式の真偽の検証

(177) 第三格OAA
大前提:ある人間鳥類ではない。=真
小前提:すべての人間哺乳類である。=真
 結論:ゆえに、すべての哺乳類鳥類である。=偽
実際には、哺乳類は鳥類とは異なる種族なので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(178) 第三格OAI
大前提:ある人間鳥類ではない。=真
小前提:すべての人間哺乳類である。=真
 結論:ゆえに、ある哺乳類鳥類である。=偽
実際には、哺乳類は鳥類とは異なる種族なので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(179) OAE
大前提:ある人間鳥類ではない。=真
小前提:すべての人間動物である。=真
 結論:ゆえに、すべての動物鳥類ではない。=偽
実際には、動物のなかには鳥類も含まれるので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(180) 第三格OAO
大前提:ある人間鳥類ではない。=真
小前提:すべての人間動物である。=真
 結論:ゆえに、ある動物鳥類ではない。=真
確かに、動物のなかには哺乳類や魚類といった鳥類以外の種族もいるように、このタイプの推論に対して反例を挙げることは論理的に不可能なので、妥当な三段論法の形式として認めることができる。

(181) 第三格OIA
大前提:ある人間鳥類ではない。=真
小前提:ある人間哺乳類である。=真
 結論:ゆえに、すべての哺乳類鳥類である。=偽
実際には、哺乳類は鳥類とは異なる種族なので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(182) 第三格OII
大前提:ある人間鳥類ではない。=真
小前提:ある人間哺乳類である。=真
 結論:ゆえに、ある哺乳類鳥類である。=偽
実際には、哺乳類は鳥類とは異なる種族なので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(183) 第三格OIE
大前提:ある動物哺乳類ではない。=真(例えば、鳥類や魚類など)
小前提:ある動物クジラである。=真
 結論:ゆえに、すべてのクジラ哺乳類ではない。=偽
実際には、クジラは哺乳類なので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(184) 第三格OIO
大前提:ある動物哺乳類ではない。=真(例えば、鳥類や魚類など)
小前提:ある動物クジラである。=真
 結論:ゆえに、あるクジラ哺乳類ではない。=偽
実際には、クジラは哺乳類なので、これは誤った三段論法の形式と言える。

 (185) 第三格OEA
大前提:ある人間クジラではない。=真
小前提:すべての人間ではない。=真
 結論:ゆえに、すべてのクジラである。=偽
実際には、猫はクジラではないので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(186) 第三格OEI
大前提:ある人間クジラではない。=真
小前提:すべての人間ではない。=真
 結論:ゆえに、あるクジラである。=偽
実際には、猫はクジラではないので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(187) 第三格OEE
大前提:ある人間有翼ではない。=真
小前提:すべての人間鳥類ではない。=真
 結論:ゆえに、すべての鳥類有翼ではない。=偽
実際には、すべての鳥類は有翼なので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(188) 第三格OEO
大前提:ある人間有翼ではない。=真
小前提:すべての人間鳥類ではない。=真
 結論:ゆえに、ある鳥類有翼ではない。=偽
実際には、すべての鳥類は有翼なので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(189) 第三格OOA
大前提:ある人間クジラではない。=真
小前提:ある人間ではない。=真
 結論:ゆえに、すべてのクジラである。=偽
実際には、猫はクジラではないので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(190) 第三格OOI
大前提:ある人間クジラではない。=真
小前提:ある人間ではない。=真
 結論:ゆえに、あるクジラである。=偽
実際には、猫はクジラではないので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(191) 第三格OOE
大前提:ある人間有翼ではない。=真
小前提:ある人間鳥類ではない。=真
 結論:ゆえに、すべての鳥類有翼ではない。=偽
実際には、すべての鳥類は有翼なので、これは誤った三段論法の形式と言える。

(192) 第三格OOO
大前提:ある人間有翼ではない。=真
小前提:ある人間鳥類ではない。=真
 結論:ゆえに、ある鳥類有翼ではない。=偽
実際には、すべての鳥類は有翼なので、これは誤った三段論法の形式と言える。

・・・

以上のように、

第三格に属する64通りの三段論法の格式のうち、

第三格AAI第三格AII第三格IAI
第三格EAO第三格EIO第三格OAO

という全部で6通りの三段論法の格式のみが、前提が真であれば結論も必然的に真となる妥当な三段論法の形式として認めることができると考えられることになるのです。

・・・

次回記事:第四格に分類される64通りの三段論法の格式の具体例と推論の妥当性の検証、256通りすべての三段論法の形式の検証④

前回記事:第二格に分類される64通りの三段論法の格式の具体例と推論の妥当性の検証、256通りすべての三段論法の形式の検証②

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