ひな祭りにひし餅を供えるのはなぜ?白酒や蛤のお吸い物の意味は?

ひな祭りは、「桃の節供」ともいわれるように桃の花が飾られます。

その他にも、ひし餅が供えられ、白酒(はまぐり)のお吸い物を飲みます。

それは、なぜなのでしょうか?
それらの食べ物、飲み物には、どんな意味があるのでしょうか?

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ひな祭りにひし餅を供えるのはなぜなの?

ひな祭り桃の花を飾る意味は、「ひな祭りの由来は?なぜ桃の花を飾るの?ひな祭りの時期は?」のところで説明しました。

ここでは、その他の、ひし餅白酒、のそれぞれに込められた意味について書きます。

まず、ひし餅(菱餅)からです。

ひし餅は、桃色ともいいます)・の3種類の餅を、ひし形に切って3枚に重ねます。

昔は、白と緑の2色だけを重ねていましたが、江戸時代になって桃色が入り、3色となりました。

3色のそれぞれの色の表す意味は、

桃色・・・先祖を尊び、厄を祓い、健康を祝って、解毒作用のある梔子 (くちなし)の実で色をつけます。
・・・子孫繁栄、長寿、純潔、清浄を願う色で、血圧を下げる菱(ひし)の実を入れます。
・・・子どもの健やかな成長と長寿を願い、強い香りで厄よけ効果があり増血効果もある蓬(よもぎ)使います。

この3色を重ねる順番は、上から、桃色・白・緑、です。

その意味は、

「雪(白)の下には新芽(緑)が芽吹き、桃の花(桃色)が咲いている」、

という春の情景をあらわしています。

上から、桃色・緑・白、と重ねるところもあります。その場合は、「雪(白)の中から新芽(緑)が芽吹き、桃の花(桃色)が咲いている」と解釈します。

餅の形を、ひし形にしたのは、

① 大地を表す、
② 宮中で正月に食べられていた餅がひし形だった、
③ 菱の実を食べて千年生きた仙人にちなんで長寿の願いを込めた、

など、諸説がありますが、
形が尖っているということも邪気を祓う意味ある、とされています。
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ひな祭りに白酒を飲むのはなぜなの?甘酒とは違うの?

ひな祭りは、昔は、女の子だけのお祭りでなく、大人の女性たちのお祭りでもありました。

大人の女性たちも、ひな人形で遊び、野に出かけ、
川にひな人形を流した後、互いに白酒をかわしながら楽しく日を過ごしました。

白酒が飲まれるようになったのは、
大蛇を宿してしまった女性が、3月3日に白酒を飲んで流産させることができた、というお話から、胎内に悪い子が宿らないように、3月3日に白酒を飲むようになった、といわれています。

もともと、ひな祭りに飲まれていたのは、お酒に桃の花を浮かべた「桃花酒」でしたが、やがて、白酒に変わっていきました。

白酒は、焼酎やみりんなどに蒸したもち米や米こうじを仕込み、1か月程度熟成させたもろみを、軽くすりつぶして造ったお酒のことをいいます。
白く濁っていて、粘りと甘みがあり、アルコール分は9%前後、糖質が45%程度含まれ、現在、酒税法ではリキュール類に分類されています。
これに対して、甘酒は、ご飯やおかゆなどに米こうじを混ぜて保温し、米の澱粉を糖化させたもので、アルコールをほとんど含まない甘い飲み物です。

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ひな祭りに蛤のお吸い物を飲むのはなぜ?

次は、(はまぐり)です。

ひな祭りのごちそうには、蛤のお吸い物がつきものです。
なぜ、蛤を使うんでしょうか?

実は蛤が使われる理由は、2つあります。

1つ目は、一対の貝殻は、貝がらがしっかりと合わさっていることから、
将来よい伴侶に恵まれるように、という意味、

もう1つは、「貝合わせ」の遊びがあるように、
蛤は、それ以外の貝とぴったり一致することがないことから、
女性の貞節の大切さを教える、という意味、

で使われます。

貝合わせ」は、平安時代から伝わる遊びですが、本来の貝合わせは、貝殻の形の美しさや色合いを競ったり、その貝を題材にした和歌を詠んでその優劣を競ったりする貴族たちの遊びでした。
それに対して、「神経衰弱」に似たゲームとしての貝合わせは「貝覆い(かいおおい)」と呼ばれます。

まとめ

ひな祭りは、昔は、大人の女性たちのお祭りでもあったんですね。
しかも、アルコール分がしっかりと入った、白酒をのんでいた!

とすると、現代では、

女の子たちはひな人形で遊び、ちらし寿司を食べ、蛤のお吸い物を飲み、
大人の女性たちは白酒または白ワインで乾杯!

ということになるのでしょうか?

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